ALM
2018.07.12
ALM(Asset Liability Management)とは、資産と負債の構成、例えば銀行であれば、全ての預金や貸し出しの金利・期間を把握し、将来の公定歩合等の変動を予測し、それを踏まえた上で、リスクの最小化と収益の極大化を図るリスク管理の手法をいいます。
1970年代に米国で普及しましたが、金利自由化による金利変動の影響やデリバティブ取引の拡大によるマーケット・リスクの増大を背景に、日本でも金融機関を中心にその重要性が高まっています。
ALMが管理するリスクにはマーケット・リスク、流動性リスク、信用リスク等があります。日本においては、平成6年の厚生年金法改正で、年金経理から年金ALM手数料の支払いが認められたことを契機として多くの年金制度で実施されるようになりました。
また、平成12年には退職給付会計導入が導入され、金利変動も考慮したサープラス型(バランスシート型)年金ALMも広く活用されるようになっています。
従来の年金ALMをサープラス型年金ALMと区別する意味で「シミュレーション型年金ALM」と言うこともあります。
ALMによるリスク管理を行う場合は、金利変動などに関して金融工学的な分析方法が使われます。確率統計などに基づく数学的な手法でリスク管理を行うことによって、価値変動のバランスがとれるように資産と負債の内容を決定することが特徴です。
金融機関や保険会社などのように、顧客からの預かり資産が多く負債が多額となるバランスシートを持つ事業会社などでは、ALMのリスク管理手法が使われることがあります。
また、長期的な運用を行う必要がある公的年金や企業年金の運用を行うにあたってリスクを低減させる目的などでもALMは有効だといわれています。
読み方
エーエルエム・えーえるえむ