レパトリエーション
2018.07.11
レパトリエーションとは、国外にある資金を国内に移す行為です。「母国に帰還すること」という意味を持つ英語で、略してレパトリとも呼ばれます。金融で使われる場合には、投資家が海外で運用していた投資資金を国内に戻すことや、海外支店での儲けを母国の本社に戻すことをいいます。
為替変動は企業の実需によっても動きます。国内企業が海外の企業を買うときは外貨で買いますからその規模によっては為替相場に影響を与えることがあります。このような投機的な目的でない外貨需要を実需といいます。レパトリもこの実需のひとつです。
日本の場合では、機関投資家が米国債を買う場合には、円をドルに換えて投資をします。このときに起こっている現象としては、円売りをしてドル買いがされている状態になり、この投資が終わると、続いてドルを円に換えて日本に戻すという作業が必要となります。そのためレパトリが指す意味としては、基本的には自国通貨買いを指します。
為替の相場に影響を与えているのは機関投資家だけではありません。輸出入を行っているさまざまな企業が通貨を両替することによって生まれる需要と供給の影響も受けているのです。
輸出業者は決算発表を行うために、決算月までに国外で得た利益を自国通貨に両替する必要があります。そのため、日本での決算月が多い3月に向けて年明け以降からレパトリエーションがよく行われる傾向にあります。
日本企業がレパトリエーションを行うと、外国通貨を売って円を買うことになりますので、円高要因の一つになります。以上のことから、一般的に3月ごろは円高になりやすいといわれています。
ただし、あまりにも円高の状況で無理して円に両替してしまうと損失が大きくなってしまうので、決算月でも円に交換しない独立採算制を採用する企業も増えています。
読み方
レパトリエーション・れぱとりえーしょん