金融商品市場指令

金融商品市場指令（MiFID、Markets in Financial Instruments Directive）とは、ヨーロッパ連合内における証券市場及び投資サービスを規定する、包括的な規制のことをいいます。米国のNMSと並ぶ「規制のグローバルスタンダード（世界標準）」です。

主な内容に、相対取引を禁止する利益相反防止の義務化、NDD方式を利用することによる投資業務規律の明示、顧客からの注文を最大限約定させることを義務・責務とする最良執行の定義などがあり、投資家保護の中核をなしています。

2004年4月に採択され、2007年11月より国内法化された規制がヨーロッパ連合加盟国で順次施行されています。

MiFIDは、投資家がヨーロッパ連合の境界を超えて投資を実行し投資サービスが受けられるようにすること、証券会社がヨーロッパ連合の域単内一免許を利用する際の障害を取り除くこと、欧州での取引所間の競争を促進し取引分野を拡大すること、投資家と投資サービス利用者の適切な保護を確保することを目的としています。

また、1993年に制定された投資サービス指令が、現代の環境や発展に合わせるために見直されました。内資本市場の自由化と統一を強く目指した内容になっており、投資家の保護が強化されています。

具体的には、投資家が最良の結果を得られるよう、証券会社に導入された最良執行義務などが含まれます。

技術的な詳細は別の規制に定められているため、新しい金融商品や金融サービスが開始された場合に素早い対応が可能です。金融商品市場指令を改正しなくても細かく対応できる仕組みが大きな特徴になります。