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今回は、MetaTrader4(MT4)/MetaTrader5(MT5)を開発したメタクオーツ社が運営する、「MQL5コミュニティ」について紹介していきます。MQL5公式サイトには、様々なインジケータやEAがあります。また、シグナル配信や開発者フォーラムというページも用意されています。私のコラムでも、MQL5コミュニティという言葉がよく登場しますね。
数々のインジケータ/EAがそろっており、世界中のプログラマーが開発したインジケータがそろっています。基本的なインジケータ/EAはもちろん、日本の販売サイトでは入手できないような特殊な手法のインジケータ/EAがあります。
しかし、日本語訳が変だし、どうやってインジケータを購入すればよいのかよく分からないという方もいます。また、「インジケータを購入したけれど、どうやってMT4/5にインストールしたらよいのか」という質問を多く頂いています。確かに、日本語の情報が限られているので、少し不便に感じるかもしれませんね。
でも、MT4/MT5とMQL5コミュニティ公式サイトを連携できれば、本当に便利です。インジケータ/EAをMQL5コミュニティからダウンロード(購入)すれば、複数の海外FX業者のMT4/MT5に簡単に同期できますし、再起動の必要もありません。
ところで、MT5のインジケータやEAは少ないというイメージがありますが、MQL5コミュニティ公式サイトなら他のサイトよりも選択肢が多く、公開されているインジケータ/EAの数も年々増えています。
MQL5コミュニティの機能と使い方のコツをマスターして、もっとトレードの幅を広げていく方法を紹介していきます。
知りたい情報 TOP3(ここを読めば解る)

この記事の目次
MQL5コミュニティの使い方【基本編】
どんなインジケータやEAがある?
インジケータ
MQL5コミュニティには、有料版・無料版を含め、1万以上のEA(自動売買プログラム)やインジケータがリリースされています。無料版はお試し機能に制限されている場合が多いのですが、実際に機能を体験できるのは嬉しいメリットですね。
EAやインジケータを入手したい場合は、上部の「マーケット」タブをクリックし、左端のメニューから入手したい製品ジャンルを選択してください。
世界中から様々な製品が出品されていますが、検索機能で絞り込むことができます。
MetaTrader4/5のマーケットの検索方法
1 | 「人気」「最新」「有料」「無料」のタブで検索 |
2 | EA/インジケータの種類で検索 |
3 | レビュー・レンタル有無等で検索 |
上部タブ①には、4種類のフィルターがあります。また、②トレードスタイルに合わせてインジケータを探すフィルターや、③評価やレビュー、レンタル機能の有無で絞り込みをするフィルターもあります。
私が普段利用してる、通貨強弱やATRをカスタマイズしたインジケータの中にも、このMQL5コミュニティで入手したものがあります。通貨強弱では、「FX Power」というインジケータを活用しています。
記事執筆時点では無料版が提供されていましたが、現在は有料版($75)のみの提供となっています。
「FX Power」のページでは、以下のようなインジケータの解説が出てきます。
ほとんどのインジケータ/EAは英語での解説になるため、翻訳ソフトを使って日本語にしてみてください。おおよその概要は理解できると思います。
品質のよいインジケータほど詳しい解説(①)がある印象です。FX Powerの場合、インジケータを使ったトレード手法、トレードスタイルに合わせてどんな設定にすればいいのか、アラート設定機能の方法やカスタム設定の方法も全て掲載されています。世界中の人が利用するサイトなので、英語が読めなくても視覚的に使い方が理解できるように工夫されている商品が多く、②でスライドを切り替えていくと、スクリーンショットや動画を見ることができます。
FX Powerはおすすめのインジケータなので、通貨強弱に興味がある方は、ぜひダウンロードしてみてください。また、MT5版もあります。
通貨強弱の手法やATRBANDの手法は以下のコラムで詳しく解説しています。
EA(自動売買プログラム)
自動売買トレードの魅力は24時間相場を監視できることなので、スキャルピング系EAを活用しているトレーダーは多いのではないかと思います。
MT4利用の場合は、左欄のMetaTrader4のエキスパートを選択すると、MT4専用のEAが表示されます。
現在リリースされているMT4のEAを人気順に並べてみました。
人気順で1位になっているAdvanced Scalperは、日本人の利用者にも人気がありますね。
MQL5コミュニティには様々なEAが多数リリースされています。特に、MT4のEAは豊富で、7,000近くのEAから選ぶことができます。もちろん、無料版もありますが、個人的には有料版のEAがおすすめです。
価格帯は様々ですが、成績の良いEAや人気があるインジケータは、約2万(250 USD)~5万円(500USD)で販売されています。
また、MT5のEAも他のサイトよりも豊富です。日本よりも海外の方がMT5の普及が進んでおり、これから数年でもっと多くのMT5に対応したEAがリリースされていくと期待できます。
価格だけでインジケータやEAの品質が決まるわけではありませんが、ある程度の品質を求めるならば、初期コストを掛ける必要があるでしょう。アップデートが頻繁にされているか、解説が丁寧か、無料版やレンタルできるか等の要素を総合的に考えてお気に入りを見つけてみましょう!
インジケータやEAがレンタルできる
MQL5コミュニティでリリースされている有料版のインジケータやEAの中には、「レンタル機能」を用意しているものがあります。
どうしても気になるのが「初期コスト」です。人気があるインジケータや利益が継続的に出ているEAは、販売されている価格もやや高額です。
価格が高額なので、「購入して全く利益が出なかったらどうしよう・・・」と購入をためらってしまうトレーダーもいます。
実は、MQL5コミュニティで販売されているEAの中には、「レンタルできるEA/インジケータ」があり、初期コストを抑えながら実際に運用することも可能です。
日本人トレーダーに人気がある「Advanced Scalper」を例に紹介したいと思います。実際の詳細画面です。
購入すると約4万3,000円(390 USD)ですが、1ヶ月間のレンタルであれば約1万6,000円(149 USD)、半年のレンタルであれば約2万1,500円(199 USD)です。
まずは半年間運用してみて、継続的に利益が出ているのであれば購入を検討するというのも良いと思います。実際の購入費用をレンタル期間中に稼ぐことができるかどうかも見極めのポイントです。
MQL5コミュニティには、GogoJungle(ゴゴジャン)のようなフォワード測定機能がないのですが、作者がシグナル配信(コピートレード)を行っている場合は、それをフォワードテスト代わりにして成績を確認することができます。
上記の「Advanced Scalper」の作者もシグナル配信をしており、リアル口座の運用状況も確認できます。
コピートレードは30 USD/月なので、EAのレンタルよりも少しお得ですね。
インジケータやEAのバックテストができる
MQL5コミュニティでは、EAやインジケータのバックテストを購入する前に行うことができます。実際のチャートに貼りつけることはできず、ストラテジーテスター機能内で使えるだけですが、どのように動作するのか、事前に細かく確認できるのは大きなメリットです。
バックテストをするには、「Free DEMO(無料のデモ)」ボタンをクリックします。
あまり利用されませんが、EAだけでなくインジケータもバックテストができます。インジケータのバックテストは、ストラテジーテスター機能の「ビジュアルモード」を使用して、実際のチャートに貼りつけたのと全く同じチャート画面を確認することができます。
バックテストを行う方法は、当サイトが作成したMT4/MT5ご利用ガイドを参考にしてください。
複数のMT4/MT5やPCで利用できる
MQL5コミュニティで購入したインジケータ/EAは複数のMT4/MT5で同時に利用できます。2章で解説するアカウントの作成をしてMT4/MT5と連携をすれば、XMTrading(エックス エム)のMT4/MT5にもTitan FX(タイタン FX)のMT4/MT5にもダウンロードできます。
GogoJungle(ゴゴジャン)などでは、著作権保護のため、1つのEAやインジケータは基本的に登録した1つの口座でしか利用できないので、同時利用ができるのはMQL5コミュニティの大きなメリットです。
一方で、購入したEAやインジケータをダウンロードできるPCの数には制限がありますので、注意しましょう。MQL5コミュニティでは、1つのPCやVPSにダウンロードした回数を「アクティベーション数」としてカウントし、その回数が規定の回数に達するまでダウンロードすることができます。
右上の①アカウント名をクリックしてマイページに進み、②「購入」をクリックすると、MQL5コミュニティの購入履歴が出てきます。その部分に、③「アクティベーション数」が記載されています。これが、インストールできるPCの数です。PCの買い替えやVPSでの使用などで複数回インストールすると、アクティベーションが減少します。
上記のFX Powerだと、10回分のアクティベーションが用意されているので、10個までのPCにインストールすることが可能です。
コードベースのインジケータ【無料インジケータ】
MQL5コミュニティの「コードベース」では、mq4ファイルやmq5ファイル(ソースコード)で無料のインジケータをダウンロードできます。元々、EAやインジケータの開発者の方がコードの参考にするためのコーナーですが、そのままでも十分活用できる製品も提供されています。
MQL5コミュニティとMT4/MT5を連携する【筆者体験済み】
MQL5コミュニティで購入したインジケータやEAを利用するには、MT4/MT5とMQL5アカウントを連携させる必要があります。ここでは、連携の手順を解説していきます。
MQL5コミュニティのアカウントを作成する
MQL5コミュニティにアクセスしてアカウント作成をクリックする。
ログインIDを決めて入力し、下にはメールアドレスを入力する。
パスワードがメールで送られてくるので、そのパスワードでログインする。
上記のようにパスワードが記載されたメールが届きますので、PDFなどで保管しておきましょう。
MT4/MT5でMQL5アカウントにログインする
MT4/MT5右上の吹き出しマークをクリックし、アカウント情報を入力する。
MT4/MT5の右上の吹き出しマークをクリックすると、上記のような画面が出てきます。上段にログインID、下段に送付されたパスワードを入力してください。
ターミナルのマーケットタブから、「購入済み」をクリックする。
「ターミナル」画面から、「マーケット」タブ、「購入済」タブとクリックしていくと、アカウント連携で同期されたインジケータ/EAが表示されています。もし、何も表示されていない場合は「購入済の右側にある矢印の更新マーク」をクリックしてください。そうすれば、ログインしているMQL5コミュニティアカウントで購入したインジケータやEAが表示されます。
起動しているMT4/MT5に、インストールしたいインジケータ/EAを選択して、「インストール」をクリックしてください。インストールは数秒で完了します。
Marketフォルダに入る
通常、インジケータやEAをMT4/MT5に追加した場合、ナビゲーター画面で「更新」ボタンを押す必要がありますが、MQL5コミュニティから購入した場合は、この作業は必要はありません。「インディケータ」の欄にMarketフォルダーが自動生成されてインストールされますので、すぐに使用することができます。
他のMT4/MT5に同期させるのも、同じ手順です。MT4/MT5でMQL5アカウントにログインし、ターミナル>マーケット>購入済で更新をすれば、同じように表示されます。
MQL5コミュニティの応用的な使い方
MQL5コミュニティは、EAやインジケータが入手できるサイトとしての使い方がメインですが、他にも様々な機能があります。
フォーラムで疑問を解決しよう【フォーラム】
「フォーラム」タブでは、コミュニティ間で質問をしたり回答を閲覧したりすることが可能です。一般的な内容から複雑なテーマのスレッドもあります。
言語を日本語に設定していれば、日本語のみのスレッドが表示されるようになっています。まだ利用者は少ないようですが、これからさらに発展していくことが期待できます。
シグナル配信を利用する【シグナル】
MQL5コミュニティの「シグナル」タブでは、月額制、または無料でコピートレード(ソーシャルトレード)を利用することができます。
上手なトレーダーや、自動売買システムが行ったトレードを、自分の口座にコピーするサービスです。FXの知識がなくても収益を上げられる可能性がある一方、通常手数料などのコストが発生します。
例として、「Yuanlong Lee」というシグナルを例にシグナル配信を選ぶときのポイントを解説したいと思います。
各シグナルのページには、これまでのトレードに基づく情報が掲載されています。
このシグナルは、上部の分析チャートで「アルゴリズム取引=0%」となっているので、完全裁量トレードです。
収益率などの一般的な点に加えて、以下の3つも確認しておくといいでしょう。
- どこのFX業者を利用しているか
- 信頼性やコピートレーダーの人数
- 含み損の推移をEquity(※)で確認する
Equity(エクイティ)=含み損/含み益と口座残高を合計した金額
とりわけ大切なのが、どこの海外FX業者を利用しているかです。できるだけ同取引環境にすることで、コピートレードを最大限に活用できます。ブローカー名でシグナル配信を検索することも可能です。
一般的に、コピーする側とされる側の使用するFX業者のサーバーの距離が近いほど、また、FX業者の配信レートが似ていれば似ているほど、スリッページが小さくなります。①「スリッページ」のタブでは、コピーする側が使用している海外FX業者ごとのスリッページも公開されているので、参考にできます。
また、②シグナル配信を利用している人数や③含み損の推移が分かるエクイティを見ると良いと思います。シグナル配信を利用している人数が多いと、それだけ沢山の人に信頼されていることが分かります。また、資金が一気になくなるのを避けるために、巨額の含み損を抱えるトレードスタイルではないかどうかを確認するのがいいでしょう。
MT5のシグナル配信の数は少ないものの、最近になって、どんどん増えている印象です。2020年や2021年開始のシグナル配信もあり、今後もMT5のシグナル配信が増えていきそうです。
なお、最近はコピートレードのサービスを提供する海外FX業者が増えていて、下記の業者がサービスを提供しています。
コピートレードを提供する海外FX業者
業者名 | サービス名 | 利用料 | ストラテジー数 |
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ミラートレード | 無料 | 150種類以上 |
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HFコピー口座 | 変動(※) | 700種類以上 |
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ソーシャルトレーディング | 変動(※) | 数百種類 |
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ソーシャル・トレーダー | 変動(※) | 10種類程度 |
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ソーシャルトレード | 変動(※) | 50種類程度 |
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コピートレード | 5% | 2,000種類以上 |
コピートレードの提供元トレーダーが設定した割合の手数料が発生します。利益の数十%の場合が多いです。
ドキュメントでプログラム言語を学ぶ【ドキュメント】
「ドキュメント」タブでは、カスタムインジケータ/EAを開発したい人のためのコーナーです。MT5向けのプログラム言語であるMQL5言語を学ぶことができます。
MT5のプログラミングに興味がある人にとっては、とても役立つ資料になるでしょう。
(まとめ)海外ではMT5が急速に普及している
ここまで、MQL5コミュニティについて解説してきました。
MQL5コミュニティと他社サイトの最大の違いは「MT5」についての情報や、インジケータ/EAが豊富であるということです。MT5を使ってみたいトレーダーはぜひMQL5コミュニティを使ってみてください。
また、MQL5コミュニティアカウントを作成しておけば、複数のMT4/MT5で購入したインジケータやEAを使用できます。
フォーラムやシグナル、ドキュメントも活用できると思います。
海外では予想以上にMT5が普及し始めているようで、MQL5コミュニティの重要度もますます高くなっていくと思います。
少し日本語が不自然な部分がありますが、ぜひ一度じっくりEAやインジケータ、シグナルを探してお気に入りを見つけてください。
当社では主要海外FX業者のレビュー、比較記事、様々なテーマのコラム記事を公開していますので、そちらもぜひ参考にしてみてください。
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