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Focus Markets(フォーカス マーケット)では、10月21日の日本銀行による覆面介入に伴い、市場に混乱が生じ、誤った価格配信が行われたことが判明しました。
この混乱に乗じ、一部の顧客が不正な取引行為を行い、自らの利益を不当に増やしたことが判明しています。
また、同時に規約違反となる口座の多重登録も発覚し、利益取り消しや口座凍結などの厳しい措置を行いました。
本件についてはSNS上で大きく拡散され、一部誤った情報が流布されたままとなっています。FXplusでは本件の真相を究明するため、独自で取材と調査を行いました。
Focus Markets(フォーカス マーケット)の利益取り消し騒動の背景
Focus Markets(フォーカス マーケット)で利益取り消し騒動が起こった背景は、以下の通りです。
Focus Markets 利益取り消し騒動の背景
- 2022年10月21日に日本銀行による大規模な覆面介入が行われる
- 市場が混乱し、Focus Marketsの一部のLPによる異常レート配信が起こる
- 通常とは異なるレートを利用してアービトラージなど不正行為を行うトレーダーが発生
- 不正行為が発覚したトレーダーをFocus Marketsが利益取り消し処分に
- 同時に規約違反となる口座の多重登録も発覚し、利益取り消しや口座凍結などの厳しい措置を講じた
Focus Marketsでは、2022年10月21日に日本銀行による覆面介入が行われたことに伴い、市場に混乱が生じて提携しているLPの一社より異常なレート配信が行われました。
この混乱に乗じて一部の顧客が不正取引行為を行い、自らの利益を不当に増やしたことが推測されます。
日本銀行の覆面介入による市場の混乱
Focus Markets(フォーカス マーケット)で起きた利益取り消し騒動は、日本銀行の覆面介入を起因とする市場の混乱よって引き起こされます。
覆面介入とは?
覆面介入とは、外国為替市場において政府や中央銀行が、市場参加者に事前に通知することなく突如として為替介入を行うことを指します。
為替介入の正式名称は「外国為替平衡操作」といい、市場が極端な円高や円安に偏り、国内の経済に影響を与えることを防ぐために行われることがあります。
市場が政府や日銀の為替介入に対して不信感を持つと市場参加者がより慎重になり、市場の流動性が低下することがあります。したがって、秘密裏に為替介入を行う覆面介入は最終手段として使われることが一般的です。
2022年10月21日、日銀による覆面介入の直後、日本円は対ドルで急激に下落し、ドル円レートは151.65円付近から一時的に146円付近まで下落しています。
この混乱により、Focus Marketsに提示されるレートの一部に異常が生じ、クロス円ペア「USDJPY・EURJPY・GBPJPY」においてマーケットとは異なるレートが配信されました。
5兆6202億円規模の覆面介入
政府・日銀の為替介入後、市場では異例の規模の5兆6202億円の覆面介入が明らかになったことで、市場参加者の間で議論が巻き起こりました。
一部の市場参加者からは、覆面介入は市場の透明性を損なうものだとの批判が寄せられた一方、日銀は「投機による円相場の過度な変動に対して、適切に対応するために行った」と主張しています。
一部のLPによる異常レート配信
LPとは、Liquidity Provider(流動性提供者)の略称であり、Focus Markets(フォーカス マーケット)のプラットフォームにおいて、外貨ペアやCFD等の商品における市場の流動性を提供する重要な役割を担っています。
FXplusチームが独自で入手した当時のティックデータを確認したところ、通常とは異なるレートを利用してアービトラージを行ったことが原因ではないかと推測されます。
しかし、あくまでも利益取り消しの措置はFocus Marketsによる判断となり、詳しい判断基準は非公開となっています。
ユーザーの判断は謎に包まれたままではありますが、少なくともFocus Marketsのレートが他社と異なっていたのは事実のようです。
不正取引行為に対する利益取り消し措置について
Focus Markets(フォーカス マーケット)は異常レートを利用した不正取引行為に対して、厳正な措置を取ることになりました。
この章では問題となった不正取引行為の定義と、それに対する利益取り消しについて解説していきます。
不正取引行為の定義とは
今回のケースでの不正な取引行為とは、アービトラージなど、取引において誤った価格設定が発生した場合に、故意にその価格差を利用して利益を不当に取得する行為を指します。
Focus Marketsではこのような行為は公正な取引を阻害するものとして、厳に禁止されています。
不正取引行為はFX業者にとって深刻な問題となっています。FX業界の健全な発展のためには、顧客だけでなくブローカー側もこのような行為を防止するための取り組みが必要です。
取り消し措置の実施とその理由
不正な取引行為が発生した顧客については、特定と確認プロセスを行い、不正な取引行為に関与していると特定された取引活動については厳正な取り消し措置を講じることになりました。
Focus Markets(フォーカス マーケット)は、取り消し措置を実施した顧客については口座解約を含め、必要に応じた措置を取っています。
尚、大規模な利益取り消しが行われたかのような印象になりつつある今回の騒動ですが、利益の取り消し措置に該当するのは、不正取引行為に関与した顧客の数名に限定されています。
Focus Marketsが抱える多重登録の問題
Focus Markets(フォーカス マーケット)では、同一人物の多重登録を禁止しており、同一人物が複数の口座を開設することは利用規約に違反する行為となります。
利用規約に違反する行為であるため、該当者に対する利益の取り消しは当然の措置と言えるでしょう。
海外FX業界全体で同一主体による口座多重登録によるボーナスの悪用が多発しており、不当な利益の取得につながる問題が発生しています。
このような問題が発生する背景には、書類さえ用意してしまえば多重登録が比較的容易に行えることや、SNS上で取引口座の売買が行われていることが原因として挙げられます。
詳細は定かではありませんが、今回の利益取り消しとなった対象者の中にも一部規約違反となる多重登録者が含まれていたようです。
口座の多重登録がもたらすリスクと問題
同一人物が複数の口座を開設することによって、海外FX業界では以下のような問題が引き起こされています。
ボーナスを利用した不当な利益の取得
特典やボーナスを不正に受け取り、集団で両建てを行い不正に利益を取得する事例が多発していることから、海外FX業界では大きな問題となっています。
このような行為は、公正な取引環境を損なうだけでなく、海外FX業者の業務にも大きな悪影響を与える可能性があります。
システムの混乱
同一人物が複数の口座を開設することにより、システムに混乱が生じる可能性があります。あまりにも多数の顧客が不正を行う場合、海外FX業者はこれらを排除しなければなりません。
出金時のチェックが厳しくなることで大規模な出金遅延が発生し、顧客に不利益が生じる可能性があります。
上記のように、ブローカーの健全性に大きな悪影響を与えることとなり、口座の多重登録によって引き起こされる問題は、正規の利用者にとっては迷惑でしかありません。
ボーナスの悪用は問答無用で不正取引とみなされる
Focus Markets(フォーカス マーケット)は、顧客による同一人物による多重登録に対して、厳しい措置を講じています。
具体的には、同一人物が複数の口座を開設したことが発覚した場合、不当な利益の取得に対して厳正な措置を講じ、口座を凍結するなどの対応を行っています。
もちろん、ボーナスの悪用が発覚した場合は当然利益の出金拒否が行われます。
ただし、同一人物による口座の多重登録は、利用者側からの不正行為であるため、Focus Markets側で完全に防ぐことは難しいという課題もあります。
SNS上の情報には注意
SNS上では出金拒否が行われたと騒ぎ立て、個人の不正をブローカーの不正として拡散される非常に悪質なケースが多く見られます。特に、当事者ではない者の拡散には注意し、SNS上の意見は鵜呑みにせず、慎重に判断を行ってください。
Focus Marketsの改善策と今後の対応に期待
Focus Markets(フォーカス マーケット)の利益取り消し騒動は、不正取引行為に対する取り締まりの重要性を再認識させました。今後は、企業がリスクマネジメントを適切に実施することが求められます。
そして、不正取引行為が確認された口座について、利益取り消し措置が実施されました。このような対応策により、海外FX業界全体で問題となっている不正取引行為が抑制されることが期待されます。
なお、Focus Marketsの利益取り消し騒動については、利益を取り消すという措置に対して一部の顧客から不満の声が上がりました。
しかし、実際に対象となったのはごく数名であり、明確な規約違反者が含まれていたことから、Focus Marketsの行った利益の取り消しはやむを得ない措置であることも頷けます。
今回のような騒動に繋がらないためにも、Focus Marketsは利用規約の改定や監視体制の強化など、改善策を講じるとともに、多重登録による問題の発生を未然に防ぐことが求められます。