当社(FXplus)は、2023年2月1日〜2023年2月28日の期間を対象とした、「重要イベント」と「主要銘柄のボラティリティ」にみる市場動向をまとめたデータを公開しました。
2023年2月は激しい値動きも少なく、先月よりも1日の平均ボラティリティが低い状態が続いています。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペア ドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ユーロ円(EUR/JPY)、ポンド円(GBP/JPY)を対象にした今回の調査結果では、1月と比べて全体的なボラティリティ低迷傾向が確認されました。取引量の推移でも特定の日付だけ極端に増加するといった現象も確認されていないため、人気通貨ペアに関してはあまり大きな動きがみられない1か月間であったといえます。
全体としてボラティリティが低迷したドル円
ドル円(USD/JPY)のボラティリティ推移(対象月:2023年1月・2月)
上記は、ドル円(USD/JPY)の1月と2月のボラティリティ推移を比較したグラフです。1日当たりの平均ボラティリティは、1月の約174pipsに対して2月は約144pipsと20pipsほど低迷しました。2月のドル円で最も高いボラティリティを記録したのは、ラガルドECB総裁による要人発言があった3日の287pipsです。ラガルド総裁による高インフレの指摘、タカ派的な見解を示したことがサプライズとなり、上昇要因になったと推測できます。しかし、日銀記者会見があり、1月の最大ボラティリティを記録した1月18日の約400pipsと比べると、ボラティリティ拡大は小さかったといえます。
ドル円(USD/JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2023年1月・2月)
1月・2月を対象にしたドル円の取引量とボラティリティの推移を示した上記グラフから、1月同様に2月もボラティリティと取引量がある程度相関していることが分かります。2月に最も取引量が多かったのは、米国PCEデフレータ、個人所得・支出の発表が行われた24日です。同日はボラティリティと取引量が同時に大きく高まっており、市場参加者の取引に大きな影響を与えたことが、グラフの波形に表れています。
米国経済指標が注目材料となったユーロドル
ユーロドル(EUR/USD)のボラティリティ推移(対象月:2023年1月・2月)
上記はユーロドル(EUR/USD)の1月と2月のボラティリティ推移を比較したグラフです。2月のユーロドルの平均ボラティリティは85pipsで、1月の平均ボラティリティ88pipsと比較してほとんど変化がありませんでした。2月に最もボラティリティが高かったのは1日の148.7pipsです。同日の米国の主要経済指標、翌日にはECBによる金利決定など、立て続けに重要指標の発表が控えていたことが、ボラティリティの上昇要因になったと考えられます。
ユーロドル(EUR/USD)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2023年1月・2月)
上記は1月・2月を対象にしたユーロドル(EUR/USD)の取引量とボラティリティの推移を示したグラフです。2月で最もユーロドルの取引量が多かったのは14日で、同日は米国の雇用変化および国内総生産の発表がありました。ボラティリティが最大を記録したのは1日だったため、ピークを付けた日付に大きな差があることを確認できます。ただし、全体を通してみると極端な取引量の増加とは言えず、ボラティリティも1日以降100pips未満に収まるなど、2月のユーロドルは動きの鈍い1か月間であったといえます。