当社(FXplus)は、2023年5月1日〜2023年5月31日の期間を対象とした、「重要イベント」と「主要銘柄のボラティリティ」にみる市場動向をまとめたデータを公開しました。
2023年5月はファンダメンタルズの影響により一時的な相場変動は見られたものの、継続することはなく全般的にボラティリティの水準は乏しい状況が続いています。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペアであるドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ユーロ円(EUR/JPY)、ポンド円(GBP/JPY)を対象にした今回の調査結果では、5月は全体としてボラティリティに恵まれない月間だったことがわかりました。4月にボラティリティが増加していたクロス円通貨ペアに関しても、5月はボラティリティの縮小を見せています。また、ファンダメンタルズ要因によって一時的にボラティリティが拡大しましたが、ボラティリティが持続する展開にはなりませんでした。
ユーロドルのボラティリティは4月よりも低迷
ユーロドル(EUR/USD)のボラティリティ推移(対象月:2023年4月・5月)
ユーロドル(EUR/USD)の4月と5月のボラティリティ推移を比較した上記のグラフから、5月のユーロドルは4月に比べてボラティリティが縮小したことが確認できました。1日当たりの平均ボラティリティは4月の82.3pipsに対して5月は68.2pipsとなり、ボラティリティが恵まれなかった4月よりもさらに縮小しています。最大ボラティリティに関しても、4月の130.2pipsに対して5月4日の105.5pipsが最大であり、先月比で縮小しています。5月4日はECB金利や米国の金利発表、FOMCなどの重要なファンダメンタルズが発表された日付で、ボラティリティが一時的な拡大を見せるものの、月末まで活気づくことはありませんでした。
ボラティリティが低く推移したポンド円
ポンド円(GBP/JPY)のボラティリティ推移(対象月:2023年4月・5月)
上記のグラフは、ポンド円(GBP/JPY)の4月と5月のボラティリティ推移を比較したものです。5月のポンド円は4月のように月末の急激なボラティリティの拡大が無かったことで、平均ボラティリティが縮小しています。1日当たりの最大ボラティリティは、4月の475.0pipsに対して、5月は196.1pipsに留まりました。なおポンド円は、ファンダメンタルズの要因によってボラティリティが顕著に拡大することが無く、月間を通して低く推移していました。
ポンド円(GBP/JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2023年4月・5月)
上記のグラフは、4・5月を対象にしたポンド円(GBP/JPY)の取引量とボラティリティの推移を示しています。5月のポンド円は、ボラティリティと取引量がある程度連動しながらも、取引量がボラティリティよりも上回っていることが確認できます。テクニカル的には、月初の高値を超える展開が観察されており、迷いながらも買い方向に相場が傾き上昇する展開がみられました。