当社(FXplus)は、2022年10月1日〜2022年10月31日の期間を対象とした、「重要イベント」と「主要銘柄のボラティリティ」にみる市場動向をまとめたデータを公開しました。
2022年10月は9月同様、ドル円は日銀の為替介入による相場展開となりました。
人気通貨ペアのボラティリティ動向と取引量
人気通貨ペアドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、ユーロ円(EUR/JPY)、ポンド円(GBP/JPY)を対象にした今回の調査結果では、9月と共通するボラティリティの周期が確認できる銘柄が多く見られました。特に円が関係する通貨ペアは、1日当たりの最大ボラティリティが記録された日付などが先月とほとんど同じでした。10月の外国為替市場も、日銀による為替介入が市場参加者で最も意識されたトピックだったと言えます。
先月に近いボラティリティ推移を見せたドル円
ドル円(USD/JPY)のボラティリティ推移(対象月:2022年9月・10月)
ドル円(USD/JPY)の9月と10月のボラティリティ推移を比較した上記のグラフから、10月にボラティリティがピークとなるタイミングが、9月と非常に似通っていることが確認されました。10月の最大ボラティリティを記録した21日は、ドル円相場が一時151円に到達後146円まで急落したため、日銀による為替介入が実施されたとする見方もあります。少なくとも、財務省による「令和4年9月29日~令和4年10月27日における外国為替平衡操作額」では、6兆3,499億円の巨額な資金が為替介入に使われたことが公表されています。
ドル円(USD/JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2022年9月・10月)
9月・10月のドル円(USD/JPY)の取引量とボラティリティの推移を示した上記グラフでは、9月に引き続き10月も取引量とボラティリティがしっかりと相関しています。メジャー通貨のドル円は、市場参加者からの関心が高く、取引量の増加と共に相場が大きく動いている可能性が高いです。
ユーロ円のボラティリティはドル円と同様に下旬に大きく拡大
ユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティ推移(対象月:2022年9月・10月)
9月・10月のユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティ推移を比較した上記グラフから、10月のボラティリティは、9月のボラティリティ推移と近い展開だったことが分かります。ボラティリティが最大を記録したのは、ドル円と同日の10月21日の439.3pipsで、9月22日の499.3pipsに迫ります。
ユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティと取引量の推移(対象月:2022年9月・10月)
9月・10月のユーロ円(EUR/JPY)のボラティリティと取引量の推移では、取引量に関して緩やかな下落傾向を見せました。寄り付きから引けにかけて低下していき、月末に一時的に上昇したことから、ポジション解消の動きがあったと考えられます。相対的に円安傾向が続いている外国為替市場は、日銀による為替介入を警戒するように、長くポジションを保有し続けることがリスクと捉えるトレーダーも多いと推測されます。