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大手海外FXブローカーであるXMTrading(エックスエム)が、仮想通貨CFD取引に関するレバレッジ制限のルールを大幅に改定しました。今回の改定により、一部のトレーダーにとっては、これまでと同じ取引スタイルが難しくなる可能性があります。
これまでは、FX通貨ペアなどの仮想通貨以外の銘柄について、他のFXブローカーと同様にロット数や証拠金残高に基づくレバレッジ制限が適用されていました。しかし今回の改定により、仮想通貨CFD銘柄に関しては、より複雑なレバレッジルールが導入されます。この新ルールを正しく理解していないと、予期せぬ損失を被る可能性があるため、特に注意が必要です。
すでに新しいルールは適用されており、仮想通貨CFD取引を行う際には、事前に詳細を確認し理解しておくことが重要です。ルール改定による影響がトレーダーにとってメリットとなるのか、それともリスクが増すのか、また取引において留意すべき点についても詳しく解説します。

この記事の目次
XMの仮想通貨CFDはレバレッジ制限が改変される
今回の改変により、XMTrading(エックスエム)の仮想通貨CFD取引におけるレバレッジ制限は、取引する銘柄の現在の市場価格に基づいて変動するようになります。これにより、トレードの際に実際の市場価格が反映され、その都度レバレッジ制限の条件が調整されることになります。
XMでは、もともと段階式証拠金モデルという方式を採用しており、このシステムが非常に複雑であることが特徴です。今回の改定においても、この段階式証拠金モデル自体は変更されていませんが、市場の実勢価格に応じてレバレッジ制限の条件が動的に変化する点が新たに加わりました。
具体的にどのような変更が加えられたのか、詳しく解説していきます。
段階式証拠金モデル(ダイナミックレバレッジ)とは
XMTrading(エックスエム)の仮想通貨CFD取引における新しいルールを理解するには、まず「段階式証拠金モデル(ダイナミックレバレッジ)」の仕組みを把握しておくことが必要です。このモデルは、エントリーしているポジションの規模に応じて、レバレッジの最大値が段階的に引き下げられるシステムです。すなわち、取引量が大きくなるほどリスクを抑えるためにレバレッジが制限され、実質的により多くの証拠金が必要となる設計です。
この段階式証拠金モデルが採用されているのは、XMの仮想通貨CFD銘柄のみです。他のFX通貨ペアやCFD商品には、このシステムは適用されていません。仮想通貨CFD取引の特性を考慮し、ボラティリティ(価格変動の大きさ)に対応するために導入されています。
一方、仮想通貨CFD以外の銘柄、たとえばFX通貨ペアやCFD商品については、有効証拠金残高による制限(エクイティレバレッジ)が設けられています。有効証拠金とは、口座残高に現在保有しているポジションの含み損益を加算した金額を指します。この仕組みでは、有効証拠金の額が大きくなるほど最大レバレッジが引き下げられるため、高額な入金や利益増加によってレバレッジが制限されることがあります。
ダイナミックレバレッジとエクイティレバレッジ
ダイナミックレバレッジは、取引サイズ(ポジションの合計)に応じて適用されるレバレッジが変化する仕組みです。小さな取引では高いレバレッジが提供されますが、取引サイズが増えるとレバレッジが段階的に下がる設計になっています。
一方、エクイティレバレッジは口座のエクイティ(残高+評価損益)に応じて適用されるレバレッジが変動する仕組みです。エクイティが増えるとレバレッジが低くなる場合がほとんどです。
従来の段階式証拠金モデルとの違い
従来の段階式証拠金モデルでは、エントリーするロット数に応じて最大レバレッジ値が段階的に制限される仕様が採用されていました。このシステムでは、エントリーするロット数が増えるほど、利用可能な最大レバレッジ値が低下する仕組みが特徴でした。
今回の改変では、ロット数に加え、エントリーしている銘柄の現在の市場価格を考慮した「取引量」に基づいてレバレッジ制限が決定される仕組みが導入されました。これにより、これまでロット数のみで制限が決定されていたシステムが、現在の市場価格も含めた複合的な要因によって制御されるようになります。
これまではトレーダーがロット数を調整することで比較的簡単にレバレッジ制限を回避できましたが、市場価格が計算に加わることで、制限を避けるための調整がより複雑になります。
仮想通貨CFD銘柄ごとのレバレッジ制限の条件
XMTrading(エックスエム)で新たに採用される段階式証拠金モデルにおいて、取引量とそれに応じたレバレッジ制限の値は、トレードする銘柄ごとに異なります。
自分自身がトレードする銘柄のレバレッジ制限の内容をあらかじめ確認しておきましょう。銘柄ごとのレバレッジ制限の条件は以下のとおりです。
XMTradingの仮想通貨CFD銘柄ごとのレバレッジ制限の条件一覧
対象銘柄 | 取引量(ドル相当) | 最大レバレッジ |
BTCUSD、ETHUSD | ~1,000,000 | 500倍 |
1,000,001~3,000,000 | 250倍 | |
3,000,001~5,000,000 | 50倍 | |
5,000,001~ | 1倍 | |
BTGUSD、ETHBTC | ~300,000 | 500倍 |
300,001~600,000 | 250倍 | |
600,001~1,000,000 | 50倍 | |
1,000,001~ | 1倍 | |
BCHUSD、BTCEUR、BTCGBP、BTCJPY、ETHEUR、ETHGBP、LTCUSD、XRPUSD | ~300,000 | 250倍 |
300,001~600,000 | 50倍 | |
600,001~ | 1倍 | |
その他の仮想通貨銘柄 | ~300,000 | 50倍 |
300,001~ | 1倍 |
BTCUSD、ETHUSD | |
~1,000,000 | 500倍 |
1,000,001~3,000,000 | 250倍 |
3,000,001~5,000,000 | 50倍 |
5,000,001~ | 1倍 |
BTGUSD、ETHBTC | |
~300,000 | 500倍 |
300,001~600,000 | 250倍 |
600,001~1,000,000 | 50倍 |
1,000,001~ | 1倍 |
BCHUSD、BTCEUR、BTCGBP、BTCJPY、ETHEUR、ETHGBP、LTCUSD、XRPUSD | |
~300,000 | 250倍 |
300,001~600,000 | 50倍 |
600,001~ | 1倍 |
その他の仮想通貨銘柄 | |
~300,000 | 50倍 |
300,001~ | 1倍 |
このようにXMでは、仮想通貨CFD銘柄によって最大レバレッジの値が大きく異なります。あらかじめ把握しておかないと想定したエントリーができなくなってしまうため、エントリーチャンスを逃したりしてしまう可能性があります。レバレッジ制限が発生する取引量とあわせて覚えておきましょう。
新たな段階式証拠金モデルの計算方法
実際に、レバレッジ制限の対象となる取引量はどのように算出するのか解説します。従来のようにエントリーしたロット数だけで判断できないため、現在の取引量を常に確認する必要があります。
XMTrading(エックスエム)の新たな段階式証拠金モデルの計算方法は以下の計算式で算出します。
XMTradingの新たな段階式証拠金モデルの計算式
取引量=ロット数×コントラクトサイズ×現在のレート
コントラクトサイズとは、契約サイズのことで、1ロットあたりの取引量のことを指します。XMは取引通貨単位が10万通貨単位なので、FX通貨ペアを取引する場合はコントラクトサイズは10万となります。
ただし、仮想通貨CFD銘柄は、コントラクトサイズ=1コインです。例えば、BTCUSDをトレードする場合は、1ビットコインが1ロットとなります。
XMの仮想通貨取引はレバレッジ制限改変でどう変わるの?
XMTrading(エックスエム)の仮想通貨CFD取引において実施されたレバレッジ制限の改変が、どのような利点をもたらすのかについて解説します。
必要証拠金が少なくて済むケースも
今回の改変により、取引に必要な証拠金が従来よりも少額で済む場合があります。
以前は、取引ロット数の大きさによってレバレッジ制限がかかる仕組みでした。改変後は、レバレッジ制限が取引量に基づいて変動する仕組みに変更されたため、仮想通貨の市場価格が下落した場合、レバレッジ制限が緩和される可能性があります。
制限が緩和されれば、必要証拠金も少なく済むため、より少額の資金で取引を行える機会が増えるでしょう。
トレードチャンスが増える
今回の改変により、従来よりも多くのトレードチャンスが得られる可能性があります。
以前は、ロット数が大きくなるほどレバレッジ制限がかかるため、エントリーできる取引が制限されていました。しかし、今回の変更後は、市場の変動に応じて同じロット数でも適用されるレバレッジ倍率が変動する仕組みとなっています。
これにより、従来はエントリーできなかった銘柄や取引手法を活用できる場面が増え、より柔軟なトレードが可能になります。さらに、トレード機会が増えることで、少ない資金から効率的に利益を伸ばすことができる可能性も高まります。
XMのレバレッジ制限の改変に関する注意点
今回、XMTrading(エックスエム)の仮想通貨CFD取引においてレバレッジ制限の改変が行われました。これにより、レバレッジ制限の計算方法が複雑化し、取引に影響を及ぼす可能性があります。事前に改変内容を十分に理解しておかないと、思わぬ損失を招いたり、計画通りの利益を得られない場合があります。
エントリー可能なロット数の計算が複雑になる
これまでは、自分がエントリーするロット数を把握するだけで、レバレッジ制限に抵触するリスクを避けることができました。しかし、今回の改変によって、現在の市場価格を基に実際の取引量を計算し、レバレッジ制限に該当していないか確認する必要があります。
計算自体は複雑なものではありませんが、毎回計算をするための時間や手間が必要となり、エントリーチャンスを逃してしまう可能性もあります。特にスキャルピングなど取引の回数が多いトレーダーの方にとっては、今回の改変により取引が多少不便になるかもしれません。
レバレッジ制限が適用されるのは超過分だけ
XMTrading(エックスエム)の段階式証拠金モデルは、レバレッジ制限で適用される数値は総合計ではありません。BTCUSDのケースで見てみましょう。
BTCUSDのレバレッジ制限適用例
銘柄 | 取引量 | レバレッジ |
BTCUSD | ~1,000,000 | 500倍 |
1,000,001~3,000,000 | 250倍 | |
3,000,001~5,000,000 | 50倍 | |
5,000,001~ | 1倍 |
BTCUSD | |
~1,000,000 | 500倍 |
1,000,001~3,000,000 | 250倍 |
3,000,001~5,000,000 | 50倍 |
5,000,001~ | 1倍 |
例えば、取引量が3,000,000ドルだった場合、この取引量すべてに対して最大250倍のレバレッジ制限がかかるわけではありません。
このケースでは取引量3,000,000ドルのうち1,000,000ドル分までに500倍のレバレッジが、残りの2,000,000ドル分には250倍のレバレッジが適用されるということになります。つまり、取引量ごとに分けてレバレッジ制限を適用し、必要証拠金を算出する必要があります。
変更になるのは仮想通貨CFD取引のみ
今回の改変で段階式証拠金モデルのレバレッジ制限が改変されるのは、仮想通貨CFD取引のみです。
その他のFX通貨ペアやCFD商品は、従来のように証拠金残高によるレバレッジ制限が採用されています。段階式証拠金モデルが採用されたと勘違いして、必要証拠金の計算やエントリーするロット数を間違ってしまわないように注意しましょう。
仮想通貨と仮想通貨CFDはどう違うの?
仮想通貨CFD(Cryptocurrency Contract for Difference)は、仮想通貨の価格変動を取引する金融商品の一つで、実際に仮想通貨を保有することなく、価格差に基づいて利益や損失を得ることができます。売買の対象は「価格差」で、取引開始時(エントリー時)と終了時(決済時)の価格差に応じて利益または損失が発生します。実物の仮想通貨(ビットコインやイーサリアムなど)を購入する必要がないため、ウォレットやブロックチェーンを利用しません。
仮想通貨の銘柄によって適用条件が大きく異なる
XMTrading(エックスエム)の仮想通貨CFD銘柄の最大レバレッジや、レバレッジ制限の条件などは、トレードする仮想通貨の銘柄によって大きく異なります。
例えばBTCUSDの最大レバレッジは500倍ですが、ZRXUSDの最大レバレッジは50倍となっており、1/10もの差があります。最大レバレッジ50倍の銘柄に対して500倍のレバレッジを想定していると、想定外のタイミングでロスカットされてしまうなどの弊害があるため十分注意しましょう。
XMの段階式証拠金モデルを理解して仮想通貨トレードをしよう!
XMTrading(エックスエム)は今回の改変により、仮想通貨CFD取引におけるレバレッジ制限や必要証拠金の算出がより複雑になりました。しかし条件によっては、より大きなロット数でのエントリーが可能になったり、エントリーチャンスも増える可能性があります。まずはXMTradingの段階式証拠金モデルについてしっかりと理解し、うまく活用して利益につなげましょう。
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