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GEMFOREX(ゲムフォレックス)では2月21日(月)から、12種類の通貨ペアを追加しています。
トルコリラやメキシコペソといった高金利通貨や、先進国の中でも経済成長率が比較的高いスウェーデンクローナといった注目銘柄も追加されています。
今回はそんなGEMFOREXで追加された通貨ペアについて詳しい情報を解説していきます。
興味のあるものだけでもいいので、ぜひ参考にしてくださいね。

この記事の目次
GEMFOREXで追加された通貨の特徴
まずは、GEMFOREXで新たに追加された通貨の特徴について解説していきます。
今回追加されたペアは以下の通りです。追加された通貨ペアの中には、あまり聞きなれない通貨もあるのではないでしょうか。
EURMXN(ユーロ/メキシコペソ)、EURNOK(ユーロ/ノルウェークローネ)、EURSEK(ユーロ/スウェーデンクローナ)、EURTRY(ユーロ/トルコリラ)、MXNJPY(メキシコペソ/円)、NZDCAD(ニュージーランドドル/カナダドル)、NZDCHF(ニュージーランドドル/スイスフラン)、SGDJPY(シンガポールドル/円)、USDNOK(米ドル/ノルウェークローネ)、USDPLN(米ドル/ポーランドズロチ)、USDSEK(米ドル/スウェーデンクローナ)、XPTUSD(プラチナ/米ドル)
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追加された通貨ペアの中でも、比較的有名な以下の通貨を中心に解説していきます。
- TRY
- SEK
- MXN
- XPT
1つずつ見ていきましょう。
TRY(トルコリラ)の特徴
トルコリラは高金利通貨の代表格とも言える銘柄なので、スワップ投資に興味のある方なら名前ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
それでは、トルコリラの特徴、過去の値動き、注意点をそれぞれ見ていきましょう。
高金利通貨の代名詞トルコリ
トルコリラは高金利通貨のひとつで、他国と比べても以下のように、高い政策金利を設定しています。
国名 | 政策金利 (2022年2月) |
日本 | -0.10% |
米国 | 0.25% |
欧州 | 0.00% |
英国 | 0.25% |
カナダ | 0.25% |
豪州 | 0.10% |
ニュージーランド | 1.0% |
スイス | -1.25% |
南ア | 4.00% |
中国 | 4.35% |
トルコ | 14.00% |
ノルウェー | 0.50% |
スウェーデン | 0.00% |
メキシコ | 5.50% |
ロシア | 20.00% |
2022年1月に、14.00%までトルコリラの政策金利は引き下げられていますが、他国と比較すると依然として高い数値を維持しています。
金利が高いため、スワップポイント狙いで保有する人にトルコリラは人気です。ただし、金利が高いということはインフレ率が高いということなので、その点のリスクを認識した上でトルコリラを扱う必要があります。
また、トルコは慢性的な経常赤字国であり、国内の資金需要を満たすために、外国からの資金流入に依存しています。そのため、先進国の金融政策の変化など、他の国の影響を受けやすいため、相場変動が大きくなる傾向があるのです。
トルコリラを扱う時には、トルコの内政だけでなくグローバルな金融情勢に目を向けることも意識しておきましょう。
政策金利とは
政策金利とは、景気や物価の安定などを図る目的で各国の中央銀行が設定する短期金利のことです。
政策金利の引き上げは、インフレを抑制し景気の過熱を抑える役割を担います。反対に、政策金利の引き下げはデフレを抑制し、景気を刺激します。
各国は政策金利の上げ下げを段階的に行うことで景気の回復を促したり、過度なインフレを抑制するのです。
トルコリラの過去の値動き
高金利通貨として人気の高いトルコリラですが、通貨の価値は下がり続けています。トルコリラの値動きを見る上で欠かせないのが政策金利の動向です。
ここ数年での大きな動きとしてあげられるのは、2018年5月の緊急利上げです。通常、政策金利は景気の動向を見ながら、徐々に引き上げや引き下げが行われますが、トルコ中央銀行では継続的な通貨安に歯止めをかけるため、2018年5月緊急利上げを行い、政策金利は8.00%から16.50%まで引き上げられました。政策金利引き上げ後も通貨安は進み、同年9月には政策金利を24%まで引き上げています。
2018年の利上げ実施後、急速なトルコリラ安はおさまったものの、2019年7月から開始された利下げにより、徐々に上値が切り下がりはじめました。
2020年8月には2018年の最安値を更新し、下値を模索し始めます。急速に進んだトルコリラ安を受け、翌月には約2年ぶりの利上げが開始されました。
利上げ開始後、一時的に下落の勢いに歯止めがかかったものの、下押し圧力は強くユーロ/トルコリラにおいては、一時的に安値を更新しています。
このような状況下で、2021年9月に再度利下げが実施され、翌月には安値を大きく更新し、急速なリラ安が進行しました。
トルコショック
トルコショックとは、2018年8月にトルコ共和国の通貨リラ(トルコリラ)の急落により発生した通貨危機のことです。
トルコ在住の米国人牧師の拘束問題をめぐってトルコと米国の対立が激化し、トランプ米政権はトルコへの制裁を発動しました。これを受け、トルコリラは8月10日に一時前日比約20%急落し、過去最安値を更新しました。
このように、トルコリラは政治的影響を強く受ける傾向にあります。スワップポイントで大きく利益をあげている人がいる一方で、大きな損失を出している人もいるので、十分なリスクヘッジを図りましょう。
トルコリラを扱う時の注意点
トルコリラは高金利通貨であり、スワップポイントを狙った取引に適した通貨なのですが、気になるのがトルコリラ安です。スワップポイントがいくら高くても、トルコリラの下落傾向が続く限り、下落による含み損が拡大する可能性は高くなります。
中央銀行が形骸化している状態での本格的な反転は期待できないため、スワップポイントを狙った取引を行う場合は、慎重に行う必要があるでしょう。
反対にトルコリラを売る場合は、高いスワップポイントが含み益を圧迫するため、保有日数に注意が必要です。
また、流動性が低くスプレッド幅も広いため、デイトレードなどの短期トレードにはあまり適しません。かといって、売り買いともに長期保有におけるリスクは高くなるため、スイングトレードくらいの中期トレードが無難といえるでしょう。
SEK(スウェーデンクローナ)の特徴
福祉大国として知られるスウェーデンは、EUに加盟しているもののユーロには参加せず、独自通貨「スウェーデンクローナ」を使用しています。
そんなスウェーデンクローナの特徴、過去の値動き、注意点を見ていきましょう。
スウェーデンクローナは比較的安定した通貨
スウェーデンクローナ自体はマイナー通貨ですが、値動きはそれほど激しくなくむしろ安定しています。スウェーデンは先進国の中でも経済成長率が比較的高く、政治や経済は安定しています。
主な産業は自動車や機械などの製造業が中心で、「VOLVO(ボルボ)」や「Ericsson(エリクソン)」などはスウェーデンを代表する企業です。経済の中心は近隣との貿易になります。それゆえ、スウェーデンクローナはユーロ圏の経済動向に影響を受けやすいのです。
また、スウェーデンクローナはユーロ圏になにかあった場合の逃避通貨としての一面も持ち合わせています。スウェーデンクローナを取引する時にはユーロの動向も一緒にチェックすることが重要です。
スウェーデンクローナの過去の値動き
スウェーデンクローナは、基本的にはユーロ相場との相関性の高い通貨です。先述しましたが、スウェーデンは製造業による貿易が中心であり、近隣諸国との貿易に依存度が高い経済構造になっています。そのため、ユーロ圏の経済動向に引率されやすいのです。
しかし、スウェーデンクローナはユーロの逃避通貨として買われやすい側面もあるため、ユーロ圏に何かあった時には値動きが逆相関関係となることがあります。
避難通貨として注目されるスカンジナビア通貨
スウェーデンクローナが逃避通貨として注目され始めたのはスイスフランショックがきっかけです。スウェーデンなどスカンジナビア諸国は、ユーロではなく自国独自の通貨を使用しています。スイスフランショック以降、ユーロやスイスフランに不安要素があるたびに、財政状況が健全なノルウェークローネ、スウェーデンクローナなどのスカンジナビア諸国の通貨が、新たなリスク回避の避難通貨として注目されやすくなっているのです。
スウェーデンクローナを扱う時の注意点
スウェーデンクローナはマイナー通貨だけあって、やはり経済指標以外の情報は乏しいのが現状です。イギリスのEU離脱問題、米中貿易戦争といったホットな話題を中心に、スウェーデンの政策金利やユーロ圏の動向、テクニカル分析の観点で判断していく必要があります。
また、基本的にはユーロ相場との相関性の高い通貨ですが、ユーロ圏の非常時にはリスクヘッジとしての通貨となり逆相関関係になることもあります。
いずれにせよ、スウェーデンクローネは隣国の影響を強く受けるので、世界経済を含め、とくにユーロの動きには注目しておきましょう。
MXN(メキシコペソ)の特徴
メキシコペソはトルコリラと同様に、高金利通貨として有名です。
次に、メキシコペソの特徴、過去の値動き、注意点をそれぞれ解説していきます。
メキシコペソは資源価格に影響を受けやすい
メキシコペソは、新興国通貨の中でも高金利に位置づけされる通貨です。トルコリラ(2022年2月14.00%)、ロシアルーブル(2022年2月20.00%)に次ぐ、高い政策金利(2022年2月5.50%)を維持しています。
コロナショックを受け、メキシコ中央銀行では利下げを実施しましたが、2019年には8.25%まで政策金利を引き上げています。
また、メキシコ経済はアメリカ経済の影響を受けやすく、1994年のNAFTA締結以降アメリカとの経済関係はより密接な関係となりました。メキシコにおける輸入の約44%、輸出の約81%はアメリカが占めるため、アメリカの景気動向がメキシコ経済に与える影響は大きいものになります。
メキシコの主要産業は鉱業で、生産量が世界第1位の銀に加えて、鉛、石油などの天然資源も豊富な国です。したがって、資源価格からの影響も受けやすいため、原油価格の動向にも注意を払う必要があります。
メキシコペソの過去の値動き
メキシコペソ/円は2016年11月に安値をつけた後、しばらくの間レンジが続いていましたが、2020年コロナウィルスの感染拡大を受けて急落しています。
急落の主な原因は、2020年3月から4月にかけて急落した原油先物価格にあるでしょう。特に4月の急落では原油先物価格は、初のマイナスを記録しています。同じタイミングでメキシコペソ/円も大きく下落し、2016年11月につけた安値を下抜けました。
しかし急落後、原油先物価格は持ち直し、急落前の高値水準を上抜け、2022年3月に100ドルを突破しています。
原油先物価格の急反発を受け、メキシコペソ/円も反発上昇するものの、2022年3月時点では急落前の高値水準まで戻るには至っていません。
メキシコペソを取り扱う時の注意点
メキシコペソは高金利通貨であるものの、流動性や価格が低いため、短期間での大きな値動きはあまり期待できません。
したがって、短期取引よりもスワップポイントを狙った中長期取引に向いている通貨といえるでしょう。
中長期取引を行う場合、保有期間が長くなるため、値動きによるリスクも考慮しておかなければなりません。
値動きによるリスクに備えるためにも、レバレッジの掛けすぎには注意する必要があります。
XPT(プラチナ)の特徴
貴金属のなかでも金や銀につぐ人気を誇るプラチナですが、GEMFOREXで新たな取引銘柄として追加されています。
それでは、プラチナの特徴、過去の値動き、注意点をそれぞれ解説していきます。
プラチナの需要は拡大傾向にある
プラチナは通貨として流通していた金や銀とは異なり、通貨としての性質は弱い貴金属です。しかし、プラチナの希少性は金よりも高く、プラチナの年間生産量は約200トンと金(年間生産量約2500トン)の1/10程度しかありません。
プラチナの生産量のうち約7割を南アフリカが占めているため、プラチナの価格は南アフリカの景気動向に左右されます。
また、プラチナは宝飾品としての需要よりも工業用としての需要の方が高く、全需要に占める割合は宝飾品が約3割であるのに対し、工業用の需要は約6割です。
工業用の需要の中でも、ディーゼル車の排ガス触媒としての需要が最も高いため、プラチナ価格は、自動車販売動向や世界経済の動向に強く影響を受けます。
プラチナの需要の拡大
現在、世界中でSDGsへの取り組みが行われており、その一環として脱炭素社会という目標を掲げています。
そんな中、水素生成装置や燃料電池車といったテクノロジーに大きな期待がよせられているのです。
プラチナは水素生成装置や燃料電池車に使われているため、これらの需要が高まればプラチナの価格も必然的に上昇することが予想できます。
今後、プラチナは価格上昇が大いに期待できる銘柄ですので、今から注目しておいて損はないでしょう。
プラチナの過去の値動き
「有事の金」という言葉があることからもわかるように、貴金属はそれ自体に価値があるので、戦争や経済危機、自然災害などが起きた時にリスク回避手段として買われる傾向にあります。プラチナも同様に有事の際には価格が上昇します。
プラチナ/米ドルは2000年前後から2008年前半にかけての急激な上昇で約2,000ドルまで買われました。これは、リーマンショックによるリスク回避の資金がプラチナに流れ込んだのに加え、南アフリカのプラチナ供給懸念などが重なり起こった現象です。
しかし、急激な上昇後の2008年7月から10月のわずか4ヶ月間で、700ドル台まで急落してしまいます。その後、急反発するも2008年につけた高値には届かず、じわじわとした下落が継続していました。
動きがあったのは2020年3月で、2008年10月につけた安値を一時的に更新しましたが、すぐに急反発して下落前の水準を上抜けています。
このように、相場が上昇傾向にある金とは違い、プラチナは上下動が激しいので、値動きは期待できるものの方向感を掴むのが難しい状況です。
プラチナを取り扱う時の注意点
プラチナは希少であるがゆえに流動性が低く、金よりも値動きが激しくなる傾向にあります。2008年のように有事の際には値段が急騰し、その後急落するといったこともあり得るので、十分なリスクヘッジが必要です。
プラチナを取引する時には、値動きが激しい分レバレッジを抑えて取引したり、リスクを限定するために損切りラインを明確に定めておくなど対策をしておきましょう。
GEMFOREXの追加通貨ペアのスプレッド比較
追加された一部銘柄のスプレッドを他社と比較してみましょう。
口座タイプ | GEMFOREX (オールインワン) | XM (スタンダード) | Titan FX (スタンダード) |
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ) | 1550 | 1490 | 1576 |
USD/SEK (米ドル/スウェーデンクローナ) | 47 | 137 | 60 |
MXN/JPY (メキシコペソ/円) | 0.9 | - | 5.3 |
XPT/USD (プラチナ/米ドル) | 51 | - | 30 |
GEMFOREX(オールインワン) | |
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ) | 1550 |
USD/SEK (米ドル/スウェーデンクローナ) | 47 |
MXN/JPY (メキシコペソ/円) | 0.9 |
XPT/USD (プラチナ/米ドル) | 51 |
XM(スタンダード) | |
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ) | 1490 |
USD/SEK (米ドル/スウェーデンクローナ) | 137 |
MXN/JPY (メキシコペソ/円) | - |
XPT/USD (プラチナ/米ドル) | - |
Titan FX(スタンダード) | |
EUR/TRY (ユーロ/トルコリラ) | 1576 |
USD/SEK (米ドル/スウェーデンクローナ) | 60 |
MXN/JPY (メキシコペソ/円) | 5.3 |
XPT/USD (プラチナ/米ドル) | 30 |
比較表を見ると、GEMFOREXのメキシコペソ/円におけるスプレッドの狭さが際立っています。他の通貨ペアではスプレッド幅が広いため、短期取引で利益を上げるには、難易度が高いと言えるでしょう。
ただ、プラチナ/米ドルのように値動きのある銘柄であれば、多少スプレッドが広い場合でも、値幅でスプレッド分のコストをカバーすることも可能です。
また、中長期投資の場合も、ある程度のスプレッド幅は許容できると考えられるでしょう。
スプレッドは取引するたびに発生するコストなので、取引する時間軸はスプレッドを考慮しつつ決めることをおすすめします。
GEMFOREXで銘柄追加により取引多様性がアップ!
GEMFOREXでは、2022年2月21日(月)に12種類の通貨ペアが追加されました。新たな通貨ペアを合わせると、43銘柄の取引が可能です。
トルコリラ、メキシコペソなどの高金利通貨に加えて、プラチナも新たに取引できるようになったので、より取引の幅を広げることができるのではないでしょうか。
ただ、追加された通貨ぺアはいずれも主要通貨に比べて流動性が低く、リスクも高いため、取引前には通貨ペアの特徴をしっかりと押さえておくべきでしょう。