Select Language

ASIC、バイナリーオプション・CFD規制策に係る諮問書のフィードバックを公表

ASIC、バイナリーオプション・CFD規制策に係る諮問書のフィードバックを公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.12 12:20
ASIC、バイナリーオプション・CFD規制策に係る諮問書のフィードバックを公表

update 2022.01.12 12:20

多くの海外FXブローカーがCFDのレバレッジ制限に批判的

オーストラリア証券投資委員会(本社:Level 5, 100 Market Street, Sydney, NSW 2000 Australia[1])【以下、ASICと称す】は、バイナリーオプション・CFD規制策に係る諮問書(諮問第322号)のフィードバックを公表した。[2]同フィードバックによると、多くの海外FXブローカーがCFDのレバレッジ制限に批判的である一方で、バイナリーオプションの禁止に関しては賛同している。

2019年8月、ASICはバイナリーオプション・CFD規制策案を公表していた。同案は欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority, ESMA)が2018年に導入した規制策に似通っており、バイナリーオプションの禁止とCFD取引にレバレッジ制限を課すものであった。但し、ESMAの規制策とは異なり、ASICではメジャーとマイナー通貨ペアの区別をつけず、全ての通貨ペアを規制対象にしている。同委員会が提案した商品別の最大レバレッジは、全通貨ペアと金が20倍、株価指数が15倍、金を除くコモディティが10倍、株式が5倍、仮想通貨が2倍となる。

ASICは諮問書の公表後、410件のフィードバックを受領しており、41件が法人から、残りは個人からのものになるという。公表されたフィードバックを参照すると、オーストラリアを拠点とする複数の海外FXブローカーが、導入が検討されているレバレッジ制限を好ましく思っていない模様だ。例えば、オーストラリア最大のリテールFXブローカーであるPepperstoneのCEOであるTamas Szabo氏は、諮問第322号で求められる規制策は厳格なため、投資家がオフショア市場を含む同国外にシフトする可能性があると懸念している。尚、2020年1月にもPepperstoneがASIC規制策に問題提起し、オーストラリアの金融・規制テクノロジー特別委員会(Select Committee on Financial Technology and Regulatory Technology)に書簡を提出していた。

またOANDAオーストラリア法人のマネージングディレクターであるAnthony Griffin氏は、ASICの講じる規制策が他の規制市場との整合性を失うと、規制アービトラージが生じ得ると指摘している。加えてFXCMオーストラリア法人は、多くの投資家が規制対象外の未認可企業に流れ、リスク警告やインセンティブ禁止などの規制策が遵守されない可能性があるとの懸念を示している。

多くの海外FXブローカーがCFDのレバレッジ制限に対して批判的な意見を示す中、ASICが如何なる規制策を導入するか注目したい。

release date 2020.08.31

出典元:

ニュースコメント

市場がASICの一挙手一投足を注視

ESMAが2018年にCFDの新規制策を導入して以降、多くの投資家が高レバレッジを求めてオフショア市場にシフトした。オーストラリアを拠点とする複数の海外FXブローカーは欧州の事例に鑑み、ASICの厳格なレバレッジ制限導入による顧客流出を強く警戒している模様だ。またGriffin氏が指摘するように、同委員会が他の市場と比較してより厳格な規制策を敷く場合、規制アービトラージの問題にも対応しなければならないであろう。規制アービトラージとは、グローバル市場における規制の濃淡を踏まえ、金融機関がより規制の緩い国・地域にシフトすることを指す。他方で、アジアパシフィック(APAC)地域でトップクラスの運用資産規模を誇るオーストラリアでは、多くの金融サービスプロバイダーが市場開拓を試みている。例えば、レボリュートがオーストラリアでサービス提供を開始した他、NAGAが同国市場に参入する計画を明らかにしている。ASICの新たな規制策の導入を巡り、オーストラリアを拠点とする海外FXブローカーに加え、これらの新興フィンテック企業が、同委員会の一挙手一投足を注視している状況だ。


Date

作成日

2020.08.31

Update

最終更新

2022.01.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
New
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
New
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円超のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名には総額100万円の賞金が贈られ、上位入賞を逃した方にも抽選で賞金が当たります。参加には事前のエントリーが必要です。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00

仮想通貨SUI(スイ)に対応したウォレットの作り方|ウォレットの種類や機能も解説

Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。アプリを利用する際に必要となるのが、SUIウォレットです。主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
update2024.04.12 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル