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バヌアツ、オフショア市場としての魅力が低下

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DATE2019.04.19

ライセンス・規制

バヌアツ、オフショア市場としての魅力が低下

VFSC

規制強化によりブローカーは他市場へシフトする可能性

2019年3月、バヌアツがブローカー向け新規制策を公表して以降、同国のオフショア市場としての魅力が低下している模様だ。バヌアツは新たな規制枠組みの下でも金融機関に対し門戸を開いているものの、ブローカーの中には他のオフショア市場へのシフトを模索し始め、バヌアツのライセンス更新に慎重な姿勢を示している状況である。

イスラエルを拠点とする法律事務所Tal Ron, Drihem & Co.【以下、Tal Ronと称す】のTal Itzhak Ron氏とStephanie Attias氏の両名は、バヌアツを含む各国の規制体系に精通しており、バヌアツが導入した新規制策の詳細及び最新の規制動向などを解説している。まず既存のライセンスを保有するブローカーの間では、バヌアツの新規制の中でも大きな注目点となっている取締役規定に関して、同国在住の適任スタッフを確保すると共に、同国出身の取締役に課せられる複数の要件を満たし的確に対応することができるかどうか懸念が高まっている模様だ。

Tal Ronの両名の見解では、バヌアツの新たな規制枠組みにおいて求められるライセンスをアクティブな状態に保つための費用を負担し、少なくとも5年間の証券取引経験を有するバヌアツ出身の取締役を確保すること、且つバヌアツに法人を設立する取締役もしくはマネージャーが毎年6か月以上は同国に滞在することなどの条件に対応できるブローカーは非常に限定的であるとしている。またバヌアツが規制を強化した目的として、バヌアツ共和国金融庁(Vanuatu Finacial Services Commission 所在地:Companies House PMB 9023 Rue Bougainville Port Vila, Vanuatu[1])【以下、VFSCと称す】がライセンス保有企業を同国内において現地調査しモニタリング強化を図るためと見ている。

更にバヌアツの新規制においては、法人が継続的に事業を行っていくための要件として、VFSCに認可登録する各企業は、報告、マネジメント、会計、事業継続、サーバーが付帯されたソフトウェア分野それぞれのシステムを運営し、且つ同国で不動産を所有しなければならないと言う。一方で、バヌアツに設立された法人は、同国内で商品・サービスの提供が許されない模様だ。

VFSCが公表した新規制への移行期間は、2019年7月7日までと3か月を切っている状況である。新規制策が適用される以前にVFSCより認可を受けた企業に関しては、A, B, Cの各クラスにカテゴリー分けされたプリンシパルライセンス付与が始まってから6か月以内に申請登録を行わなければライセンスが失効すると言う。またカテゴリー分けされたディーラーライセンスは、取り扱う証券業務ごとにクラスが区分されている。クラスAライセンスは不確定額面社債、無担保債、債務証書、預金証書、FX関連取引が該当し、クラスBは先物やデリバティブ取引などが当てはまる。そしてクラスCが株式、貴金属、コモディティ取引に加え、アンダーライティング(証券引受業務)、預金業務、またワラントやオプション、証券取得契約の権利行使に関連した業務が該当するとのことだ。

バヌアツが厳格な新規制策を導入したことにより、同国の規制枠組みの魅力は大きく低下したと言えよう。Tal Ronの両名は、仮想通貨関連サービスを提供するにはエストニアやマルタを推奨している。またブローカーにとっては、マーシャル諸島やバミューダ、ベリーズが依然魅力的なようだ。一方でセントヴィンセントグレナディーンに関しては、充実した入出金や決済サービスの提供を期待できないことから、オフショア市場としての魅力が低下している状況だ。更に足元では、新オフショア市場としてマレーシアのラブアン島にも注目が集まりつつある。

今回バヌアツは規制を強化する方向に舵を切ったが、他のオフショア市場がブローカーやトレーダーを呼び込み市場の活性化を図るべく、今後如何なる差別化された政策を打ち出すか注目されよう。

official release 2019.04.19

出典元:

ニュースコメント

高まるオフショア市場への圧力

海外FXブローカーの集まるオフショア国の特徴として、国の産業が乏しく、資源に恵まれない小さな島国であることがあげられる。オフショア国では金融に関する規制が緩く、タックスヘイブン(租税回避地)とも言われ、世界中の資産家や投資家を対象とした金融サービスが国の基幹産業となっている。ASICが全ブローカーに取引データーの提出を要請するなど、昨今の先進国金融当局による規制が強化される流れの中、先進国からオフショア国に対するアンチマネーロンダリング対応などの金融規制に関する目も厳しさを増しており、日用品を始めとした消費財の殆どを輸入に頼り、経済的にも近隣の先進国に依存するオフショア国が多い中、先進国からの金融規制強化の要求を断りづらい背景がある。今回のVFSCの発表も近隣の先進国からの要求に対して一定の譲歩を示した結果であることが推測されるが、法人の経営者もしくは取締役は1年の内6か月以上はバヌアツに滞在しなければならないことが規定されるなど、必然的にバヌアツ人の雇用を求められる内容となっており、バヌアツ政府の自国民雇用促進に対する思惑が色濃く現れている。今後もオフショア国での規制強化が進められて行くことが予想され、ブローカーにとっては、難しい判断を求められることになるが、オフショア国も金融規制策定に柔軟に対応しつつ、自国の持つ強みを活かした市場を開発していけるよう、ブローカー、オフショア国両者の動向に期待したい。

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EDITOR制作/編集 FXplus編集部

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