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スイスに大挙として押し寄せるトレーダー

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DATE2018.10.19

ライセンス・規制

スイスに大挙として押し寄せるトレーダー

ESMA

顧客は依然ハイレバレッジ取引を追い求め続けている模様

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】による新規制が導入されてから3か月が経過したが、EU圏内のトレーダーは、オフショアブローカーでもなく、欧州当局の規制の手が及ばないスイスに、大挙として押し寄せているようだ。

信頼性の高いプライベートバンキングとして知られるスイスでは、現在、スイス大手銀行のDukascopy Bank SA(本社:Route de Pre-Bois 20 ICC, Entrance H 1215 Geneva 15 Switzerland[1])とSwissquote Bank SA(本社:Ch. De la Cretaux 33 P.O. Box 319 1196 Gland, Switzerland[2])が、欧州の新規制の枠組みから外れる形で、EU圏内のリテール顧客向けにサービスを展開している。また、英国・ロンドンを拠点とするFX・CFDブローカーであるIG Group(本社:Worting House, Church Lane, Basingstoke, Hamshire, RG23 8 PX, UK[3])や、デンマークを拠点とする投資銀行Saxo Bank(本社:Phillip Heymans Alle 15 2900 Hellerup Denmark[4])もスイス国内にオフィスを構えているが、EU圏内の顧客がEU拠点ブローカーのスイス子会社を通じて、スイスの口座を開設できるか否かは不確かではある。

EUの規制当局は、スイスのブローカーがEU圏内の顧客に対しサービスを提供することを禁止していない一方で、EU圏内で広告を出すことは規制している。これは未認可ブローカーが、信頼性の低いアフィリエイトサイトで広告活動を勝手に行っていることが影響している模様である。例えば、サッカー界のスーパースターであるクリスチャーノ・ロナウド氏は、多額のバイナリーオプション取引を行い税金を支払う方法の記事を作成するなど、リテール顧客を惹きつけるアフィリエイト活動が多く確認できる。ただし、クリスチャーノ・ロナウド氏も含め、多くのサッカー選手が税当局から脱税容疑がかけられているのが現実だ。

他方で、過去数か月の間に、裕福な著名サッカー選手が高級スポーツカーに子どもを乗せドライブしたり、貧しい労働者階級の父親が家族を裕福にするといったストーリー展開の広告を目にしてきたと思う。このような広告アプローチは、偽りがなく、そして一見合法的なようであるため、ESMAも規制することができないのであろう。そのため、EU規制当局はEU圏内で広告を出すことを制限しているものの、ブローカーがあの手この手と広告戦略を繰り出しており、適切に規制するのに苦慮する現実が映し出されているといえよう。

また、ESMAが規制するレバレッジに関して考察すると、電気自動車の製造・販売を手掛けるテスラの共同創業者兼CEOのElon Musk氏と、世界に大不況を巻き起こし破綻していったリーマンブラザーズを見れば、レバレッジが諸刃の剣であるといえるだろう。すなわち、レバレッジを利用することにより、時には利益が倍増し、時には損失の拡大を味わうことになる。しかしながら、欧州の規制当局がレバレッジ制限を導入したとしても、大金を簡単に稼げるといった人間心理はくすぐられ、ハイレバレッジのトレードを試みようとする人を止めることは難しく、トレーダーは更なるハイレバレッジ取引を求め、今度はスイスにその居場所を求めているようだ。

このように規制策を講じる欧州当局とそれを回避しようとするトレーダーという状況下では、ハイレバレッジ取引をこよなく愛するトレーダーを保護する環境を築くか、もしくはプロフェッショナルトレーダーがハイレバレッジ取引を行う体制とする必要がありそうだ。なお、EU圏内の顧客向けサービスの提供は、スイスだけでなくオーストラリアでも行っており、香港やシンガポールのブローカーもEU圏内の顧客向けにサービスを行っている可能性があることは留意したい。

official release 2018.10.19

出典元:

ニュースコメント

ESMAの影響を受けないスイス

スイスは、永世中立国として知られており、欧州大陸の中心に位置しながらも欧州連合(EU)には加盟していない。スイスは欧州経済領域(EEA)にも加盟せず、欧州自由貿易連合(EFTA)の加盟国としての立場を維持しているが、EUとは多数の個別協定を結んで加盟国並みの恩恵を受け、世界でも最高レベルの生活水準を誇っている。また、先日、スイス大手銀行のデューカスコピーはICOの実施の計画を発表しており、8月にはスイスクォートはインターナックスを買収して、EU市場へのアクセスを手にしている。最近はハイレバレッジを求めトレーダーのオフショアへのシフトがみられているが、オフショアではないが、EUの新規制の影響を受けず、かつ、勢力の拡大もみられるスイスがシフト先に選ばれているようだ。しかしながら、英国がEU離脱を決定して以降、EUは非加盟国に対して厳しい立場を示すようになり、特に移民問題を巡っては、スイスとEUの関係は悪化している。スイスのブローカーが、永久的にESMAの規制を受けずにサービスを提供できるかどうかは不明である。

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EDITOR制作/編集 FXplus編集部

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