イスラエル政府、バイナリーオプション新法案を承認

イスラエル政府は6月18日の閣議で、イスラエルに拠点を置く全てのバイナリーオプション業者の活動を禁止する法案を承認した。禁止事項には、イスラエル国外の顧客へのバイナリーオプション関連サービスの提供も含まれる。この法案が制定されると、イスラエル証券庁（Israel Securities Authority）【以下、ISAと称す】は、イスラエルの国内外でサービスを提供しているバイナリーオプション業者に対して、如何なる場合も法の下において裁くことができる。

法案は、イスラエル内閣立法委員会によって直ちに承認され、近日中にイスラエルの国会であるクネセトにて第一読会が行われる予定である。

この法案は、ISAや財務省などの複数の政府機関によって作成されている。イスラエル居住者を対象としたバイナリーオプション関連サービスの提供は、既に1年以上前から禁止されていた。その後、多くのバイナリーオプション業者は、イスラエル国外に活動拠点を移し、イスラエル国外の顧客を対象にサービスの運営を続けていた。その結果、ISAがバイナリーオプション業者の詐欺行為を黙認しているのではないかという懸念が浮上し、欧州の規制当局から数多くの苦情が寄せられていた。

法案成立後、ISAの会長であるShmuel Hauser氏は次のようにコメントしている。

バイナリーオプション業者は、世界中の市民に経済被害をもたらすだけではなく、イスラエル国内に甚大な被害を与え、反ユダヤ主義や反イスラエル感情を刺激しています。

Shmuel Hauser, Israel Securities Authority Chairman

イスラエルの司法長官であるAvichai Mandelblit氏もまた新法案を支持しており、以下の声明を発表している。

近年、主にイスラエル国外の顧客を対象としたオンライン取引プラットフォームに関連して発生している犯罪を撲滅する為に、様々な法執行機関を指揮しています。

Avichai Mandelblit, The Attorney General

イスラエルが国内外でバイナリーオプション関連サービスの提供を禁止した今、バイナリーオプション業者にとって、キプロスが最も人気の高い活動拠点となっているが、先月、キプロス証券取引委員会（CySEC）からも、バイナリーオプションを完全に禁止することを検討している旨の発表があった。

また、Apple Inc.（本社：1 Infinite Loop, Cupertino, CA 95014 USA）【以下、Appleと称す】も先日、iOSアプリケーションに関する審査ガイドラインを変更し、現在はモバイルデバイス用のiTunes App Storeにおいて、バイナリーオプション関連アプリの取り扱いを全面的に禁止することを発表した。

バイナリーオプション業者の不正行為に対して、規制当局だけではなく、Appleの様な大手IT企業も動きだす中、 過渡期になりつつあるバイナリーオプション業界であるが、詐欺行為に対する措置は不可欠である。

release date 2017.06.19