仮想通貨市場、時価総額が2兆ドルに到達
リップルを始めとするアルトコインが好調を牽引
4月5日、主要なアルトコイン価格が上昇を見せ、仮想通貨(暗号資産)市場全体の時価総額が2兆ドルを突破して過去最高値を記録した。
最近、アルトコインが好調な値動きを見せており、ビットコイン(Bitcoin)の占有率を56%にまで押し下げるなど、仮想通貨市場の拡大を主導しているという。特にリップル(Ripple)は過去7日間で60%近く上昇して2018年5月以来の高値となる0.93ドルを記録し、トップ10の仮想通貨の中で最高のパフォーマンスを示しているようだ。これによりリップルは、エイダコイン(ADA Coin)やユニスワップ(Uniswap)、ライトコイン(Litecoin)に次いで6番目の規模を誇る仮想通貨となった。
また、仮想通貨市場ではイーサリアム(Ethereum)が投資対象として機関投資家および個人投資家の関心を集めており、同仮想通貨価格は過去最高値の2,150ドルに達している。この需要の高まりを受け、仮想通貨関連の投資商品を開発するグレースケールが管理するイーサリアムは、310万ETH以上で総額65億ドルを超えているという。その他、大手仮想通貨取引所のバイナンスが発行する独自仮想通貨であるバイナンスコイン(Binance Coin)も時価総額が580億ドルを突破するなど、勢力を増しているようだ。
今年初めにビットコイン価格の急落により仮想通貨市場全体が低迷した時期もあったが、この上昇相場は長期的なトレンドとして継続するのか、今後もこれら仮想通貨の動向を見守っていきたい。
release date 2021.04.08
ニュースコメント
仮想通貨市場で重要度を増すアルトコイン
今年に入ってからビットコインの占有率は73%を頂点に右肩下がりとなっており、仮想通貨市場ではアルトコインの重要度が増しているという。これに伴い、米大手取引所のコインベースはANKR・CRV・STORJの上場を決定するなど、アルトコインの取り扱いを強化する動きに出ている。取引所以外では、英国・ロンドンを拠点とするチャレンジャーバンク(銀行業務ライセンスを取得し、既存銀行と同様のサービスを全てモバイルアプリ上で提供する企業)であるレボリュートが欧州向けにアルトコインの取り扱いを開始しており、同社のサービスにイオス(EOS)およびオーエムジー(OMG)、テゾス(Tezos)、0x(ゼロエックス)を追加することに成功している。2021年時点で2,000種類を超えるアルトコインが存在すると言われているが、アルトコイン市場ではどのような展開が見られるのか、今後もその動きに注目していきたい。

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、仮想通貨(暗号資産)およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。