VISA、CEOが仮想通貨関連事業計画を明示

2022.04.20 12:27

2022.04.20 12:27

同社の資格情報を活用したビットコインの購入を計画

大手クレジットカード会社であるVISA（ビザ）のCEOを務めるAl Kelly氏が、米ビジネス情報誌FORTUNEのポッドキャスト番組である「Leadership Next」に出演し、仮想通貨（暗号資産）関連の事業計画を明らかにした。[1]

同番組内において、Kelly氏はVISAの資格情報を活用したビットコイン（Bitcoin）の購入を可能にする計画であると言及した。また、ビットコインウォレットと協働して、ビットコインを法定通貨に変換できるようにすることで、世界7,000万箇所の加盟店において仮想通貨決済を実現する方針だという。

2021年2月、VISAはCrypto APIのパイロットテストを実施することを発表し、APIを活用した仮想通貨関連サービスの提供を試みている。また、同社はネオバンク（銀行業務ライセンスを取得せずに既存の銀行と提携してオンラインサービスを提供するスタートアップ企業）であるFirst Boulevardと提携し、アフリカ系アメリカ人コミュニティを対象とした仮想通貨関連の取り組みを強化している状況だ。

米国クレジットカード会社の仮想通貨関連動向に目を転じると、各プレーヤーが市場の開拓を試みている。例えば、VISAと競合する国際ブランドのmastercardが仮想通貨決済をサポートする方針を打ち出している他、Discover（ディスカバー）やAmerican Express（アメリカン・エキスプレス）も関連サービスの提供を模索している。

VISAはCEOが仮想通貨関連の事業計画を明確にしたことで、今後の事業推進に期待が持てそうだ。

release date 2021.03.19

出典元：

VisaNews（Twitter）
https://twitter.com/VisaNews/status/1371863620192239622

ニュースコメント

仮想通貨市場に熱視線

個人投資家及び機関投資家によるビットコイン需要が急拡大する中、世界中の金融機関がビットコインを活用した決済に対応し始めている。また、急成長を遂げている仮想通貨市場の開拓を巡っては、既存金融機関のみならず、新興フィンテック企業やIT大手企業、クレジットカード会社など、多様な業界プレーヤーが関連サービスの提供を試みている。中でも、15億ドル相当のビットコイン購入が大きな話題を集めている電気自動車メーカーのテスラ（Tesla）は、将来的にビットコイン決済に対応する意向を示している。また、ビットコインATM大手のCoinFlipがネットワークを大幅に拡充するなど、ビットコイン利活用の裾野が拡大している状況だ。3月14日にはビットコイン価格が6万1,000ドルを超えて史上最高値を更新している。ビットコインを始めとする仮想通貨市場への関心が大きく高まる中、業界の垣根を超えて、複数の企業が利便性向上に寄与する画期的なソリューションを提供することに期待したい。