ペイパル、暗号資産の日間取引量が急増
暗号資産関連
前週から20%増となる過去最高値を更新
大手オンライン決済サービスのPaypal Holdings Inc.(本社:2211 North First Street San Jose, California 95131
)【以下、ペイパルと称す】における暗号資産の日間取引量が急増し、その値が2億4,200万ドルを記録したことが明らかになった。ペイパルは暗号資産関連サービスを昨年末に本格始動したばかりだが、今月初めにその日間取引量が1億2,900万ドルに達したという。今月11日、ビットコイン(Bitcoin)価格が直近の高値である4万ドル付近から急落したことを背景に、ペイパルにおける日間取引量は約20%の大幅な伸びを見せて過去最高値を更新した。この取引量の増加が新規ポジションの構築か、パニックによる損切りによるものかは明らかではないものの、暗号資産市場の動向にポジティブな影響を与えているようだ。
これまでペイパルはコインベースなどの大手暗号資産取引所への決済ソリューションの提供に加え、Facebook(フェイスブック)が手がけるリブラ(現ディエム)の創設メンバーとしてプロジェクトに参加するなど、一定の距離を保ちながら暗号資産市場との関わりを継続してきた。しかしながらペイパルは暗号資産関連サービスをローンチして以降、より直接的な形で暗号資産市場への関与を強めている状況だ。
先日、ペイパルはTaxBitに出資して暗号資産向けの税務自動化プラットフォーム開発を支援し、暗号資産関連事業に対するコミットメントの高さを示したが、今後も同社の動きに注目していきたい。
official release 2021.01.14
ニュースコメント
昨年末からの強気なトレンドを継続するビットコイン価格
昨年末、ペイパルやSquare(スクエア)などの大手決済企業の他、多くの機関投資家が暗号資産市場に相次いで参入したことが主な要因となり、ビットコイン価格は2万ドルの大台を突破した。今年に入ってからもこのトレンドは継続しており、保有残高が0.1BTC以下のウォレットアドレス数が減少する一方、1,000BTC以上を保有するクジラと呼ばれる大口投資家が増加しているという。このビットコイン価格の上昇が一過性のブームだと主張する者も存在するものの、個人投資家の資金流入が招いた2017年時の暗号資産バブルとはその性質が異なることは明らかだと言えるだろう。FundstratのアナリストであるTom Lee氏は、2021年末までにビットコイン価格が年初から約4倍の12万ドルに到達する可能性があるとの見解を示しているが、暗号資産市場はどのような展開を見せるのか、今後も同暗号資産の動向を見守っていきたい。

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。