ECB総裁、デジタルユーロに関するパブリックコメントを募集

欧州中央銀行（European Central Bank）【以下、ECBと称す】のChristine Lagarde総裁は、中央銀行発行の独自デジタル通貨（Central Bank Digital Currency）【以下、CBDCと称す】であるデジタルユーロに関するパブリックコメントを募集することを発表した。[1]

CoinDeskのリサーチディレクターであるNoelle Acheson氏によると、ECBは銀行間取引だけでなく、小売業界でのCBDC利用によって金融システムのあり方を大幅に改革することを検討しているという。今回の発表でLagarde総裁は、欧州の人々が支払いおよび貯蓄、投資にデジタルな要素を取り入れつつある事実に触れ、デジタルユーロ発行に備えて公衆の意見を聞く必要があると言及している。

またLagarde総裁は、ECBが未だCBDC発行の可能性を模索している段階だと述べた上で、消費者となる欧州の人々がデジタルユーロを法定通貨と同様に利用できるか、パブリックコメントを通じて検討したいとコメントした。国際決済銀行（Bank for International Settlements）のイノベーションハブで責任者を務めるBenoit Couere氏も、Lagarde総裁と同様の意見を述べ、この流れに同調しているようだ。

Acheson氏はCBDCに関する議論が高いレベルで展開されていると主張し、デジタルユーロ発行が現実味を帯びてきていることを強調したが、最終的にECBはどのような判断を下すのか、今後も欧州での動向に注目していきたい。

release date 2020.11.03

• European Central Bank

  https://www.ecb.europa.eu/paym/intro/cons/html/index.en.html