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イーサリアムクラシック、遅延していたハードフォークが完了

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update 2021.08.31 15:29
イーサリアムクラシック、遅延していたハードフォークが完了

update 2021.08.31 15:29

アップデートが成功してイーサリアムとの互換性を高める

2016年にイーサリアム(Ethereum)から派生したイーサリアムクラシック(Ethereum Classic)は、イーサリアムとの互換性を高めることを目的としたハードフォークであるアトランティス(Atlantis)の実装に成功した。[1]

イーサリアムクラシックラボの発表によると、このアトランティスには10個のEIP(Ethereum Improvement Proposal)が盛り込まれており、イーサリアムクラシックの安定性とパフォーマンスが改善し、コンパイル前のスマートコントラクトへの対応、zk-SNARK(ゼロ知識証明を利用した暗号化プロトコル)によるセキュリティ強化などが施されたという。ネットワーク上のユーザーは全てのクライアントソフトをアップグレードする必要があるが、コインベースやPoloniex、バイナンス(Binance)、Bittrex、Kraken(クラーケン)、Shapeshift、OKExなどの主要取引所は既に対応済みであると伝えている。今のところ、全体では約60%のノードまたは約75%以上のハッシュレートがクライアントソフトのアップグレードに対応している状況だ。

もともとアトランティスは今夏中の実施が予定されていたが、スマートコントラクトのサイズ上限に関するEIP170に意見の相違があったため計画が延期されてきた経緯がある。イーサリアムクラシックラボによって主導されたアトランティスは、最終的にChainsafe SystemおよびETC Cooperativeとの協業によって実現したが、ETC CooperativeのディレクターであるYaz Khoury氏は、アトランティスは最も長い異論を要したハードフォークであったと同時に、分散型コミュニティの本質を学ばされたとコメントしている。一方、イーサリアムクラシックラボのCEOであるTerry Culver氏は、アトランティスによって特にdApp(分散型アプリケーション)の分野でイーサリアムとの共通化が進むはずだと述べた。

加えて、Culver氏は今回のハードフォークに関して以下のような見解を示している。

このハードフォークは、イーサリアムクラシックがイーサリアムとの互換性を高めることにコミットしている事実をより明確にするでしょう。我々の目標は、2つのブロックチェーンが互いに作用する方法を見つけることです。我々はパブリックブロックチェーンの可能性を信じており、イーサリアムクラシックは強いコミュニティによって支えられていると実感しています。

Terry Culver, CEO of Ethereum Classic Lab - CoinDeskより引用

2016年に発生したDAO事件と呼ばれるハッキング被害をきっかけに、イーサリアムとイーサリアムクラシックは独立したプロジェクトとして別々の道を歩むことになったが、Culver氏はこれらのブロックチェーンが同じ目標を共有していると主張した。ブロックチェーン技術の普及で仮想通貨市場におけるイーサリアムの重要性が増しているだけに、今後も両プロジェクトの動向には注目していきたい。

release date 2019.09.13

出典元:

ニュースコメント

変革の過渡期にあるイーサリアム

仮想通貨市場で長らくビットコイン(Bitcoin)に次ぐ仮想通貨として君臨してきたイーサリアムだが、PoS(プルーフオブステーク)へのアルゴリズム変更を目的とした4段階ハードフォークが佳境に入っており、ブロックチェーン開発が過渡期を迎えている。先日もEIPに関する議論が煮詰まっていることから、イーサリアムのハードフォーク計画に1カ月の遅れが生じている現状が報告されたばかりだ。こうしている内にも仮想通貨市場の環境は刻々と変移しており、大手取引所をはじめとする企業のブロックチェーンプロジェクトが台頭し、今年4月にはバイナンスチェーンが仮想通貨価格に影響を及ぼしていることが明らかになった。これに加えて、最近ではコインベースがIEOおよびSTOプラットフォームの立ち上げを模索するなど、これまでのイーサリアムを中心とした資金調達のトレンドが変わりつつある。イーサリアムのアップデートが成功に終われば、より効率的なプラットフォームが完成し、イーサリアムクラシックを含め、エコシステム全体にとっても好影響となるだけに、今後も同仮想通貨の開発活動に期待したい。


Date

作成日

2019.09.13

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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