Select Language

FATF、Facebookのリブラが抱える危険性を警告

FATF、Facebookのリブラが抱える危険性を警告

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:30
FATF、Facebookのリブラが抱える危険性を警告

update 2021.08.31 15:30

暫定版の報告書でリスクや対策について言及

G7が主導する金融活動作業部会(Financial Action Task Force)【以下、FATFと称す】は、Facebook, Inc.(本社:1 Hacker Way, Menlo Park, California 94025[1])【以下、Facebookと称す】の仮想通貨プロジェクトであるリブラ(Libra)が世界経済の安定性を阻害する危険性を含んでいることを警告し、厳格な規制が必要だとの考えを示した。

暫定版の報告書でFATFは、金融包摂の拡大や送金コストの削減などのメリットがあることを認めているものの、リブラがマネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CTF)の観点から重大なリスクを抱えており、その他にもデータ保護、サイバーセキュリティ、公正な競争、税制の面で問題を引き起こす危険性があると指摘している。これらのリスクは既存の金融システムを混乱に陥れる可能性があるため、規制当局はリブラの台頭を無視することは出来ず、その影響を慎重に評価すべきだと指摘している。

一方、FATFの議長を務めるBenoit Coeure氏は、リブラなどのステーブルコインがより迅速で安価な送金ソリューションを実現することができると述べ、大手金融機関やテクノロジー企業がこの技術を活用することも検討すべきだとの見解を示している。また、今回、FATFはリブラに対し、高い運用基準の設定や各国での法令遵守、サイバーセキュリティの強化、透明性の高い資産管理など、イノベーションを先導する上で重要なポイントに関して助言を行った。

23億8,000万人のユーザーを抱えるFacebookの仮想通貨プロジェクトは、金融業界全体の構造を再編成する潜在性を秘めており、各国政府はその急激な変化に対する懸念を露わにしているようだ。英国の財務相は最近、世界中の政治家がリブラに関心を寄せていることに対して、規制当局の判断ありきの問題だと批判の声を上げている。今月に入り、米上院でリブラに対する公聴会が開催され、日本政府もリブラに関するワーキンググループを立ち上げるなど、各国政府がこの問題に積極的に関与する姿勢をみせているが、G7の発表を受けてFacebookはどのような動きに出るのか、今後の展開を見守っていきたい。

release date 2019.07.19

出典元:

ニュースコメント

ビットコイン価格が1万ドル台に復帰

今月に入ってFacebookのリブラに関するイベントが集中し、同社の取り組みに対する風当たりが強まることが予想された事から、それを嫌ってか仮想通貨市場ではリスク回避の流れが生じていた。その動きは目に見える形で相場に反映され、これまで1万ドル以上の水準を保っていたビットコイン(BTC/USD)価格は、今月16日に9,400ドル付近まで急落した。しかしながら、今月17日からフランスのシャンティイで開催されていたG7サミットの結果を受けて、ビットコイン価格は再び心理的なバリアとなっていた1万ドルラインを超え、一時1万673ドルの高値を記録している。今回、G7加盟国はリブラが既存の金融システムの脅威になるとの認識を強めたものの、FATFが10月までに仮想通貨の規制などに関する最終報告書をまとめる方向で決着がついたことで、ひとまず相場は買い戻しの展開に動いたようだ。今後もFacebookのリブラは仮想通貨市場における最大の関心事になると考えられるが、これからも各国政府や同社の動向には注目していきたい。


Date

作成日

2019.07.19

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
New
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
New
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円超のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名には総額100万円の賞金が贈られ、上位入賞を逃した方にも抽選で賞金が当たります。参加には事前のエントリーが必要です。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00

仮想通貨SUI(スイ)に対応したウォレットの作り方|ウォレットの種類や機能も解説

Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。アプリを利用する際に必要となるのが、SUIウォレットです。主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
update2024.04.12 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル