Select Language

金融庁、仮想通貨を利用した資金洗浄対策を強化へ

金融庁、仮想通貨を利用した資金洗浄対策を強化へ

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
金融庁、仮想通貨を利用した資金洗浄対策を強化へ

update 2021.08.31 15:26

G20を前に仮想通貨取引所を規制する動き

日本の金融庁(Japan Financial Services Association, JFSA)は、仮想通貨取引所に対する規制を厳格化することでマネーロンダリング対策(AML)の強化に動いていることが、報道により明らかになった。[1]

今回のマネーロンダリング対策の厳格化は、金融庁およびその他の政府機関が、取引所への現地監査を実施した2018年に着想されたとのことだ。金融庁は仮想通貨も含む資金決済法の改定案も発行しているが、当時の金融庁は、みなし業者となっていたFSHO株式会社などで、疑わしい取引が行われていることを確認しており、この取引がマネーロンダリングに該当する可能性があると示唆していた。結果的にFSHO株式会社が正式な事業者として認可されることはなかったが、それ以来、金融庁は適切なマネーロンダリング対策およびKYC(顧客確認)を実施していない取引所を問題視するようになった。

今秋までにも、新しい規制の精査が実施される予定だが、それに先駆けて日本政府は、今年の夏に開催されるG20でマネーロンダリングに関して各国首脳と議論を交わす模様だ。仮想通貨を利用したマネーロンダリングは、テロリストや北朝鮮などの経済制裁を受ける国家の活動を促進することにも繋がるため、マネーロンダリング対策は国際社会での重要性を増しており、日本政府は対策面で他国に遅れを取ることを嫌っているようだ。

今年3月、国際連合安全保障理事会(United Nations Security Council)は専門家より、北朝鮮からのサイバー攻撃は少なくとも5回成功し、5億7,100万ドル相当の仮想通貨が盗み出されたとの報告を受けているという。仮想通貨を狙った北朝鮮からのサイバー攻撃は、追跡することが困難なことから、経済制裁を回避するひとつの手法とされているため、国際社会での懸念が高まっている。また、ロシアやイラン、ベネズエラなども、仮想通貨を経済制裁を回避する方法として利用しようとしたことに対し、非難の声が上がっているようだ。これらの仮想通貨の不正利用を防ぐ為には、国際的な包囲網を構築することが必要となるが、今後、日本がその流れをリードする存在に成れるか、期待を込めて見守っていきたい。

release date 2019.05.24

出典元:

ニュースコメント

国際機関もマネーロンダリング対策に躍起

仮想通貨を利用したマネーロンダリングは、国際的にも早急な対策が求められる課題となっており、それを監視する役目にある金融活動作業部会(Financial Action Task Force)も規制に動き出している様子だ。今年2月、同機関は、仮想通貨関連サービスを提供する事業者に取引記録や利益など、個人情報の受け渡しを義務化することを提案し、各国政府や仮想通貨業界に協力を求めている。しかしながら、仮想通貨業界は、このような締め付けが分散型取引所(Decentralized Exchange)を代表とする非中央集権型サービスを拡大し、世界の金融システムに更なる危機を招くだけだと猛反発している。仮想通貨市場では、アプリケーションなどによる簡易的な個人取引が加速しているだけに、政府機関が全てを管理することは難しくなっていると考えられるが、日本をはじめとする主要国はどのような対策を取るのか、今後の動きに注目していきたい。


Date

作成日

2019.05.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

海外FX業者の口座開設手順を徹底調査|IB向きの業者を選ぶ基準

海外FX業者によって口座開設時に必要な手順は異なります。したがってIBに向いている海外FX業者を選ぶ1つの基準として、口座開設手順についても考慮する必要があるのです。Myforexでは各海外FX業者における口座開設時の入力項目数を調査しました。
New
update2024.03.28 20:00

Zoomexが現物取引キャンペーンを開催!取引高の達成で最大50USDTのボーナスを獲得

Zoomex(ズーメックス)が、現物取引キャンペーンを開催しています。所定の現物取引高を達成するだけで、最大50USDT分のボーナスを獲得できます。キャンペーン期間は、2024年3月26日午前9時〜4月9日午前9時(日本時間)までです。
New
update2024.03.28 20:00

Merlin Chainとは?話題のビットコインレイヤー2の評判や将来性を解説

Merlin Chainは、ビットコインのレイヤー2の一種です。当記事では、Merlin Chainの将来性やX(旧Twitter)での評判、Merlin's Sealの詳細などについて解説します。
New
update2024.03.28 19:00

メタマスクのイーサリアムステーキングのやり方|利率や仕組みも解説

メタマスクでは、イーサリアムやポリゴンをステーキングして報酬を獲得することが可能です。2024年1月には、バリデーターステーキングが登場し、ユーザーの選択肢が広がっています。当記事では、メタマスクの2種類のステーキングのやり方や仕組み、リスクなどを解説します。
update2024.03.26 20:30

Traders Trustで開催されているボーナスキャンペーンとは?内容や出金条件を徹底解説!

Traders Trustでは、取引量に応じて現金として出金できるボーナスやキャッシュバックを受け取れるボーナスを中心に開催されています。キャンペーンによっては出金に取引条件があるので事前に確認しておきましょう。
update2024.03.25 20:00

TradingViewに通貨強弱を表示する方法を解説!無料インジケーターの見方や設定方法とは

TradingViewにおいて無料で利用できる通貨強弱インジケーターの見方と設定方法を解説します。チャート分析と組み合わせることでトレンド予測がより正確になります。またヒートマップや通貨インデックスなどTradingViewの公式ツールも紹介します。
update2024.03.21 20:30

Zoomexがビットコイン価格予想キャンペーンを開催!毎週3名に400ドルのボーナス獲得のチャンス

2024年3月13日、海外取引所のZoomex(ズーメックス)が、「ビットコイン価格予想キャンペーン」の開催を発表しました。ビットコインの価格を予想するだけで、400ドル相当のボーナスを獲得できるチャンスです。キャンペーンの詳細や参加方法を解説します。
update2024.03.21 20:00

Galaxy DAOの欠点が浮き彫りに|出金状況やコンテスト中止の原因

Galaxy DAOは返金に向けて動いていたり、サービスを今後も拡大していったりするように見せていますが、実情は異なるようです。トレードコンテストの中止や、MT4とEAの利用停止などGalaxy DAOの欠点が浮き彫りになりつつあります。
update2024.03.19 21:00

仮想通貨ETHFIの将来性は?分散型ステーキングプロトコルether.fiの評判や特徴を解説

仮想通貨ETHFIは、分散型ステーキングプロトコルether.fiのガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨ETHFIの将来性やX(旧Twitter)での評判、ether.fiの特徴などについて解説します。
update2024.03.19 20:30

Titan FXが花月トレードコンテストを開催!入金なしで参加可能

海外FX業者のTitan FXが、「花月トレードコンテスト」を開催することを発表しました。コンテストでは専用のデモ口座を使用するため、自己資金をリスクにさらすことなく参加できます。上位入賞者には賞金も贈られます。
update2024.03.18 20:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル