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ロビンフッド、約2,000件の顧客口座がハッキング被害

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update 2022.08.05 16:39
ロビンフッド、約2,000件の顧客口座がハッキング被害

update 2022.08.05 16:39

同社アプリ外で個人情報を盗まれたユーザーがハッキング対象

米国のシリコンバレーを拠点とし、取引手数料無料の株式取引アプリを提供するRobinhood Markets, Inc.【以下、ロビンフッドと称す】における顧客口座の内、約2,000件がハッキング被害を受けたとブルームバーグ(Bloomberg)が報じた。[1]

先週ロビンフッドは、被害を受けた口座数は限定的なものとだとコメントしていたが、社内調査に詳しい関係者によると、その後の調査において被害口座数が当初よりも大幅に増加しているという。ロビンフッドのスポークスパーソンによると、全てのユーザーがハッキング被害を受けたわけではなく、同社のアプリ外で個人情報を盗まれたユーザーがハッキング対象になっているという。被害を受けた口座数は確定できていないものの、ロビンフッドにとって今回のハッキング被害は過去最大のものになると見られている。

多くのユーザーがハッカーによってポジションを解消され、レボリュート(Revolut)など他の金融アプリに不正送金されたことに対して不満を述べている。被害を受けた顧客の中には、2要素認証設定をしていたにも関わらずハッキングされた人もいるという。またロビンフッドで証券総合口座(Cash Management Account, CMA)を開設しているユーザーは、他の口座が被害を受けていないことから、ロビンフッドのシステムに問題があったと見ているが、同社からは自動メールしか送られて来ず、未だ口座内にある多額の資金を引き出せずにいる。更に別のユーザーは、Twitter(ツイッター)やReddit(レディット)を通じてロビンフッドを激しく非難しているという。資金が不正に引き出される中、同社からは「我々は常に詐欺もしくは疑わしい取引を報告する顧客に対応し、調査の完了に向けてできる限り速やかに取り組んでいる。顧客口座の保護は最優先事項であり、真摯に受け止めている。」というメールが届いたそうだ。

ロビンフッドが多数の口座への不正アクセスを認めてから2週間が経つが、電話によるカスタマーサービスを提供していない同社の対応の遅れを複数の顧客が糾弾している。これを受け、ロビンフッドは顧客窓口となる電話番号の取得を検討している模様だ。

尚、ロビンフッド以外にも、複数の金融機関において不正アクセスやシステムダウンなどが生じている。例えば、ゲインキャピタル・ジャパンで不正アクセス事案が発生した他、BitMEXはシステムダウンにより入出金機能を一時停止していた。今回ハッキングを受けたロビンフッドが、顧客資産の保護に向けた動きを徹底することに期待したい。

release date 2020.10.19

出典元:

ニュースコメント

成長するロビンフッドの光と影

2014年に創業したロビンフッドは、取引手数料無料の株式取引アプリを武器に、1,300万人以上の顧客基盤を築き上げている。新型コロナウイルス(COVID-19)危機をきっかけとして、ロビンフッダーと呼ばれる、ロビンフッドを利用して取引をする個人投資家が急増しており、モバイル利用に長けた若年層を中心に爆発的な人気を誇っている。2020年8月には、初めて同社の想定時価総額が100億ドルを超え、目覚ましい成長を遂げている。一方で、度重なるシステムダウンによってシステムの脆弱性が露呈した他、コンプライアンス上の問題も抱えていることから、ロビンフッドは英国でのサービスを中止し、インフラ強化に注力する方針を示している。また、オプション取引で多額の損失を出したと勘違いしたロビンフッドユーザーが自殺するなど、急成長のひずみも浮き彫りとなっている。直近では、同社はオプション取引サービスを大幅刷新し、iOS14のウィジェットに対応するなどの機能改善を図っているが、引き続きインフラ増強や顧客保護に向けた取り組みが急務となっている。


Date

作成日

2020.10.19

Update

最終更新

2022.08.05

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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