Select Language

ロビンフッド、英国でのサービス提供を中止してインフラ強化に注力

ロビンフッド、英国でのサービス提供を中止してインフラ強化に注力

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.09.19 16:22
ロビンフッド、英国でのサービス提供を中止してインフラ強化に注力

update 2022.09.19 16:22

英国での株式取引サービスを少なくとも2020年末まで開始しない意向

米国のシリコンバレーを拠点とし、取引手数料無料のモバイルアプリを提供するRobinhood Markets, Inc.【以下、ロビンフッドと称す】が、米国外の市場開拓計画を取り止めると共に、英国での株式取引サービスの提供を少なくとも2020年末まで中止する決断を下したことが明らかになった。[1]

2019年8月、ロビンフッドはFCAより認可を取得し、2020年第1四半期にサービス提供を開始する予定であった。しかしながら、直近では6月18日にテクニカル上の問題が発生したほか、3月にも数日にわたりシステムがダウンしたことで、多くの顧客が一時的に口座へのアクセスやカスタマーサービスの利用ができない状況が生じていた。同社CEOは、ボラタイル(値動きが激しい)な市場環境下において、過去最高の取引量と新規口座開設申請が重なったことにより、システムに大きな負荷がかかったと説明している。また2019年12月に、ロビンフッドは最良執行義務違反や執行プロセスに関する重大な内部統制不備により、米規制当局から125万ドルの罰金を科せられるなど、コンプライアンス体制にも問題が生じていた模様だ。

これらの問題を受け、ロビンフッドは英国事業の開始を延期し、ウェイティングリストの廃止と同国のウェブサイトの閉鎖という苦渋の決断を下したという。過去数か月の間に世界経済が大きく変化する中、同社はシステムダウンを繰り返していることから、グローバル拡大戦略を推進する代わりに、米国の主力事業におけるインフラと顧客関係の強化に注力する方針だ。

今回、ロビンフッドは英国でのサービス提供中止と社内インフラの強化を決断したが、顧客満足度の向上に向けた今後の取り組みに注目したい。

release date 2020.07.23

出典元:

ニュースコメント

攻守にバランスの取れた戦略遂行が求められる金融サービスプロバイダー

ロビンフッドは、無制限に取引手数料を無料としたマルチアセット対応の証券取引サービスを武器にしている。米国のミレニアル世代を中心に、同社が開発したモバイルアプリの利用が進み、既に1,300万人以上もの顧客基盤を築いている。足元においては、6億ドル超の資金調達に成功し、ロビンフッドの企業価値は86億ドルに上るという。また新型コロナウイルス(COVID-19)禍において、投資の世界に参入した投資初心者向けに端株取引サービスを強化するなど、顧客基盤の拡大に余念がない。2020年に入ってから顧客数は300万人超増加し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している。しかしながら、同社が攻めの姿勢を強める一方で、度重なるシステムダウンにより、システムの脆弱性が露呈している状況だ。他方で、ロビンフッド以外にもInteractive Brokersのサイトがダウンしたほか、ドイツ取引所がシステム障害によりXetraとユーレックスの取引が一時停止するなど、複数の金融機関でシステム障害が生じている。コロナショックをきっかけとして、ロビンフッダー(ロビンフッドを利用して取引をする投資家)などの個人投資家の取引が活発化する中、各金融サービスプロバイダーが更なる成長に向けた攻めの戦略のみならず、安心・安全な取引環境の提供など、守りの戦略も充実させることに期待したい。


Date

作成日

2020.07.23

Update

最終更新

2022.09.19

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
New
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
New
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円超のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名には総額100万円の賞金が贈られ、上位入賞を逃した方にも抽選で賞金が当たります。参加には事前のエントリーが必要です。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00

仮想通貨SUI(スイ)に対応したウォレットの作り方|ウォレットの種類や機能も解説

Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。アプリを利用する際に必要となるのが、SUIウォレットです。主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
update2024.04.12 20:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル