Select Language

香港証券取引所傘下のOTC Clear、金融庁から清算業務ライセンスを取得

香港証券取引所傘下のOTC Clear、金融庁から清算業務ライセンスを取得

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
香港証券取引所傘下のOTC Clear、金融庁から清算業務ライセンスを取得

update 2021.08.31 15:29

中央清算業務への需要高まる日本市場の開拓を模索

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEXと称す】は1月8日、傘下の中央清算機関(Central Counterparty)【以下、CCPと称す】であるOTC Clearing Hong Kong Limited【以下、OTC Clearと称す】が、日本の金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)より、同国の金融機関に対し中央清算業務を提供するためのライセンスを取得したことを明らかにした。[2]

金融庁のライセンスを取得したことにより、OTC Clearは外国金融商品取引清算機関(Foreign Financial Instruments Clearing Organization)になるという。HKEXは、日本の金融機関におけるクロスカレンシースワップの清算サービスに対する需要の高まりが、店頭(OTC)デリバティブ決済・清算サービスを提供する新たな市場となる同国への進出を後押ししたとのことだ。またHKEXは、Barclays Bank PLC【以下、バークレイズと称す】がOTC Clearの清算会員に加入したことも明らかにしている。

日本の清算業務ライセンスの取得などに際し、HKEXの共同社長兼COOであるCalvin Tai氏とバークレイズ香港のマクロトレーディング部門ヘッドを務めるKelvin Sze氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

日本の金融機関は、OTCデリバティブ市場において重要な役割を担っております。今回、日本で清算業務ライセンスを取得したことは、同国を始め、グローバルに債券や為替分野の清算サービスの提供を拡充するという我々のコミットを示しており、我が社の認知度向上にも大きく寄与すると見ております。また、国際金融グループのバークレイズが、OTC Clearの清算会員として、オフショア人民元や中国人民元といった独自の清算ソリューションを活用することを喜ばしく思うと共に、中国本土の金融機関をグローバル市場につなぐサポートをしていく意向であります。

Calvin Tai, HKEX Co-President and Chief Operating Officer - HKEXより引用

我々は、HKEX傘下のOTC Clearの直接清算会員になったことを喜ばしく思っております。同社は多数の会員が加入する強固なネットワークを構築し、清算分野において確固たるプレゼンスを確立しております。我が社はOTC Clearの一会員として、アジア地域のカウンターパーティーに対し、同社を通じてアクセスの向上を図ると共に、お客様からのニーズに応えるべく、オフショア人民元の清算業務の提供などを行う考えであります。

Kelvin Sze, Barclays' Head of Macro Trading, Hong Kong - HKEXより引用

OTC Clearは、OTCデリバティブの中央清算サービスを提供するために、2013年に設立され、既に米国やEU、オーストラリアで事業を行っている。そして今回、日本の金融機関から中央清算業務への需要が高まるなか、OTC Clearはライセンスを取得のもと、日本でのサービス提供が可能になることで、更なる顧客取引の拡大が期待できそうだ。

release date 2020.01.10

出典元:

ニュースコメント

各国証券取引所がこぞって強化する中央清算業務

2009年9月に開催されたG20ピッツバーグ・サミットにおいて、店頭デリバティブ取引に係る中央清算が義務付けられた。また日本でも、2012年11月以降から金利スワップやCDS取引など一定の店頭デリバティブ取引に関して、CCPにて清算を行うことが法律で義務付けられている。加えて、足元ではESMAがECに第三国CCPの監督スキームを提案するなど、監督当局による効率的なモニタリング体制の構築も推し進められている。これらのグローバル規制改革を受け、世界各国の金融機関は、より充実した中央清算サービスを求めている状況だ。一方で、グローバル金融機関の強い需要を背景に、各国証券取引所も中央清算業務の強化に注力している。例として、足元ではユーレックスがクロスカレンシースワップの中央清算業務を開始し、より効率的な清算スキームであるCCPモデルの活用を推し進めている。更に、CBOEがEuroCCPを買収し、欧州市場での決済サービスの強化を図っている。金融取引の安定性と効率性を高めるCCPモデルが普及することで、投資家が安心・安全に取引できる環境が整備されることを期待したい。


Date

作成日

2020.01.10

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
New
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円超のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名には総額100万円の賞金が贈られ、上位入賞を逃した方にも抽選で賞金が当たります。参加には事前のエントリーが必要です。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00

仮想通貨SUI(スイ)に対応したウォレットの作り方|ウォレットの種類や機能も解説

Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。アプリを利用する際に必要となるのが、SUIウォレットです。主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
update2024.04.12 20:00

仮想通貨SAGAの将来性は?Web3開発者向けプラットフォームの評判や仕組みを解説

仮想通貨(暗号資産)SAGAは、レイヤー1プロトコルSagaのネイティブトークンです。Sagaは、開発者がWeb3プロジェクトを簡単にローンチできるプラットフォームとして機能します。
update2024.04.11 20:00

Titan FXが上限額なしのGW無限キャッシュバックキャンペーンを開催!

Titan FX(タイタンエフエックス)が2024年4月22日から「GW無限キャッシュバック」キャンペーンを開催します。入金額と取引量の条件を満たしたユーザーが、期間内であれば条件を満たす度に何度でも、上限額なしで無制限にキャッシュバックを受け取れるという内容です。
update2024.04.05 21:00

Mantle Rewards Stationとは?MNTステーキングの仕組みやmShardsについて解説

Mantleが「Mantle Rewards Station」というキャンペーンを開催しました。ユーザーは仮想通貨MNTをステーキングすると、mShardsというレシートトークンを獲得でき、将来的に仮想通貨ENAと交換できます。
update2024.04.05 20:30

IS6FXがウェルカムボーナスをリニューアル!

IS6FXが、新規ユーザーを対象とするウェルカムボーナスのリニューアルを発表しました。従来のウェルカムボーナスとは異なり、リニューアル後は初回から3回目の入金までボーナスが付与されます。
update2024.04.05 20:00

Milton Marketsが4月の55%入金ボーナスキャンペーンを開催!

海外FX業者Milton Marketsが、2024年4月30日まで55%入金ボーナスキャンペーンを開催します。キャンペーン期間中に入金すると55%のボーナスが付与され、最大55万円分のボーナスクレジットを獲得できます。
update2024.04.05 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル