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SWIFT、gpi LinkをR3のコーダに接続する機能検証を実施の意向

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update 2021.08.31 15:27
SWIFT、gpi LinkをR3のコーダに接続する機能検証を実施の意向

update 2021.08.31 15:27

高速で安全、且つ透明性の高い決済サービス標準の確立を模索

世界各国の銀行間取引の情報インフラを担う国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)【以下、SWIFTと称す】は1月30日、米国・ニューヨークを拠点とするフィンテック企業のR3 HoldCo LLC (本社:11 West 42nd Street, 8th Floor New York, NY 10036[1])【以下、R3と称す】と提携することを発表した。SWIFTは、新たな国際決済サービス標準を確立すべく導入されたgpi(global payment innovation)決済ネットワーク【以下、gpi Linkと称す】を、R3が提供するブロックチェーン技術であるコーダ(Corda)プラットフォームに接続する機能検証(PoC)を実施するという。

この度の発表は、1月30日フランス・パリで行われたフィンテックフォーラムのパネルディスカッションにて、SWIFTのCEOであるGoofried Leibbrandt氏がまず最初に伝えたものである。なお、このパネルディスカッションには、SWIFTが提供する決済サービスに批判的な態度を示す米国リップル社のCEOであるBrad Garlinghouse氏も参加していた。

この度の提携により、R3のコーダプラットフォームとgpi Linkの様々なプラットフォームが接続することになり、gpiに加盟する銀行は、高速決済処理と高い透明性を確保したgpi決済サービスを始め、エンドツーエンド(End-to-End、通信を接続元と接続先のエンドシステムで行う)で決済処理のトラッキング(追跡)や決済者認証、及び信用照会ができるようになるという。更にgpi Linkは、グローバルベースで互換性・相互運用性を有しており、取引の継続的なモニタリングと決済フロー管理を可能にするとのことだ。

また、R3のコーダプラットフォームを活用する企業は、SWIFTとR3との間で行われる機能検証段階において、gpi Linkを介した銀行決済を行え、決済取引に関するコンファメーション(確認書)もgpi Link経由で受け取れるとのことである。また将来的には、gpi Linkを分散台帳技術に基づくか否かを問わず多岐に亘るプラットフォームと接続を行う見通しである。

gpi Linkをコーダプラットホームに接続する機能検証を行うに際し、SWIFTの最高マーケティング責任者であるLuc Meurant氏と、R3のCEOであるDavid E. Rutter氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

全ての取引プラットフォームは、gpiのように高い信頼性と高速処理、且つ安全にクロスボーダー(複数国間で行われる)決済を行える仕組みを必要としています。分散台帳技術(DLT)を活用した取引が普及し始める一方で、仮想通貨を用いた決済需要は依然として拡大しておらず、法定通貨を利用した高速で安全な決済サービスへのニーズは急速に高まっております。gpiに加盟する銀行は、gpi Linkを活用することで、eコマース(電子商取引)や取引プラットフォーム上にて、高速で安全、且つユビキタス性(偏在性)を有し透明性の高い決済取引を行うことが可能となります。また、コーダプラットフォームを利用することになるため、この度R3と機能検証を実施することは合理的な判断と言えるでしょう。

Luc Meurant, Chief Marketing Officer of SWIFT - SWIFTより引用

我が社では最近、コーダプラットフォーム上で発生した債務の仮想通貨決済を可能とするツールであるコーダセトラー(Corda Settler)をリリースしました。これに続いて、世界中で決済手段として用いられ新たな決済サービス標準となりつつあるSWIFTのgpiと接続することは合理的な経営判断であると考えております。gpiとの接続により、コーダプラットフォーム上で起動するブロックチェーン技術を活用したアプリケーションの全てにおいて、gpiに加盟する銀行を通じて提供される高速・安全で、且つ透明性の高い決済サービスを利用することができるようになるでしょう。

David E. Rutter, CEO of R3 - SWIFTより引用

これまでの国際決済サービス分野においては、SWIFTが主要な役割を演じてきたが、R3やリップルを始め、ブロックチェーン技術を活用しより効率的で安全な決済サービスを提供する企業の多くが、新たな担い手になることを模索している。一方、時代遅れとなりつつあるSWIFTのテクノロジーは決済処理スピードや手数料などの面で見劣りしており、競合他社の攻勢に対応すべく、R3のブロックチェーン技術を活用した新たな決済サービスネットワークの構築を図る機能検証を実施する流れになったと考えられよう。また2018年11月には、SWIFTはMonetaGoとパートナー契約を締結し、ブロックチェーン関連アプリケーションソフトのテスト運用を試みることも明らかにしており、SWIFTにとっても新たな決済サービスの開発が喫緊の課題となっている。

なお、R3が2019年初頭にリリースしたコーダプラットフォームは、現在官民で300を超えるパートナーが参画している。また、アジア全域でコーダプラットフォームのライセンス提供を推進させるべく、SBIホールディングスと提携の上ジョイントベンチャー(合弁会社)を立ち上げてもおり、急速にコーダプラットフォームを利用するネットワーク拡大を図っている状況だ。

SWIFTとR3による機能検証の効果が確実に示され、将来的に顧客の利便性を向上させる付加価値の高い決済サービスが提供されることが期待されよう。

release date 2019.01.30

出典元:

ニュースコメント

国際決済サービスの改革となるか

今回、SWIFTがgpi Linkとの統合を行うコーダプラットフォームは、世界の大手金融機関70社が共同で開発したもので、証券や金融派生商品の処理や決済に特化した、金融機関向けのブロックチェーン(分散台帳)である。コーダには、複数の金融機関によるリアルタイムな情報共有や、貿易金融における決済期間の短縮の実現など、さまざまな革新的な技術が搭載されており、顧客の利便性の向上が期待されている。なお、伝統的な国際送金サービスを提供するSWIFTは、 新しい国境を越えた支払いサービスとして需要が高まるリップルとの競合がささやかれているが、SWIFTが時代に即したより迅速かつ透明性の高いサービスの構築に前向きであることも伺える。また、コーダの開発元であるR3は、昨年12月にはリップルを決済通貨とした仮想通貨での支払いを容易とするグローバル決済アプリCorda Settlerをリリースしている。これらの開発により、ブロックチェーンを利用した国際決済構造の改革が進んでいくのか、今後の動きが注目される。


Date

作成日

2019.01.31

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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