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ジェフリーズ、2018年度通期決算報告書を発表

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update 2022.07.08 17:14
ジェフリーズ、2018年度通期決算報告書を発表

update 2022.07.08 17:14

FXCMへの当初融資額を既に回収

米国の大手投資銀行であるJefferies Financial Group Inc.(本社:520 Madison Avenue New York, NY 10022[1])【以下、ジェフリーズと称す】は、ジェフリーズ子会社の大手海外FXブローカーであるFXCM Group, LLC.(本社:20 Gresham Street, 4th Floor, London EC2V 7JE, United Kingdom[2])【以下、FXCMと称す】への融資に言及した2018年度通期決算報告書を米国証券取引委員会(The Securities and Exchange Commission, SEC)に提出した。

FXCMは2015年1月、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行が突如政策変更を行い、ユーロ/スイスフランの上限撤廃を発表したことをきっかけとしたスイスフランショックの煽りを受け、現在はジェフリーズへと社名変更を行っているLeucadia National Corporationから2億7,900万ドルの財政支援を受けている。2018年11月30日時点において、ジェフリーズでは、元本返済や利子及び各種手数料として、当初の投資額を優に上回る3億5,000万ドルの回収に成功している。更に、ジェフリーズは未払い元本残高として6,800万ドル、FXCMの株式価値を7,500万ドルと計上していた。

しかしながら、ESMAによる新規制が導入されたことに加え、FXCMの軟調な業績を勘案して、この度の2018年通期決算においては、FXCMの株式価値を6,200万ドルに引き下げ減損損失(impairment charge、資産の収益性が低下し、投資回収可能額が帳簿上価格を下回った分の金額)を計上したとのことである。またジェフリーズはFXCMの経営状況に関して、業務合理化や商品の拡充を図ると共に、金利上昇やFX・株式市場のボラティリティの高まりを活かし、強固な経営体質を構築しているとコメントしている。

なお、ジェフリーズの2018年度の純営業収益は、前年比とほぼ変わらず32億ドルで着地している。中でも投資銀行部門は前年比8%増の19億ドルを計上し、純営業収益全体の実に半分以上を稼ぎ出す良好な結果となった。一方で当期純利益に関しては、過去最高益を叩き出した2017年度の3億5,800万ドルには及ばず、2018年度は1億5,900万ドルに留まった。ただし、トランプ大統領が推し進め成立させた税制改革法(Tax Cuts and Jobs Act)に基づく仮払税金(provisional tax charge)1億6,500万ドルを除くと、当期純利益は3億2,400万ドルとなり、概ね底堅い業績推移となったと言えよう。

ジェフリーズとFXCMがプライムブローカー事業で提携していることから、両社の強みを活かした如何なる革新的なサービスが提供されるのか、今後のビジネス展開に注目が集まる。

release date 2019.01.11

出典元:

ニュースコメント

ジェフリーズグループの尽力と今後の事業展開に期待

ジェフリーズグループは、近年、投資銀行業務におけるプラットフォームの構築を最優先に取り組み、ようやく2018年より債券のシステマティック・インターナライザー(SI)業務を開始したことを発表している。これにより、EUのMiFID(金融商品市場指令)に準拠した、SIプラットフォームでの取引を導入している。その結果、2016年の投資銀行部門の純収益が11億ドルであったのに対し、2018年には同部門の純収益が19億ドルを計上し、ジェフリーズグループ全体の純収益の約58%を占め、業績に直結した形となった。また、中銀国際控股有限公司(BOCI)と提携関係を結び、中国と香港の株式市場に関するセールスおよびトレーディング・サービス、株式リサーチの配布を行うなど、日本を含めたアジア圏への展開を引き続き強化しているようだ。前回のジェフリーズの第3四半期決算報告書では、トレーディング部門で回復の動きが見られ、純収入は前年とほぼ同じという結果に終わったが、業績に多大な影響を及ぼすであろうESMAの新規制が導入された中、減収減益とならなかったことは評価できるだろう。最高経営責任者(CEO)と社長による新年の挨拶では、明るい見通し材料はなく市場は非常に不安定であるが、そのような状況であるからこそシンプルに新しい計画と戦略を開始したいと語っており、ジェフリーズグループが今後どのような事業を展開していくのか、非常に楽しみである。


Date

作成日

2019.01.11

Update

最終更新

2022.07.08

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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