Select Language

Alpari、ロシア法人の業務を全面停止する意向

Alpari、ロシア法人の業務を全面停止する意向

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.07.08 16:07
Alpari、ロシア法人の業務を全面停止する意向

update 2022.07.08 16:07

顧客は1月18日までに全てのポジションの決済が必要

グローバル展開を図る海外FX・CFDブローカーであるAlpari(本社:11th Floor, Maeva Tower, Silicon Avenue, Cybercity, Ebene, Quatre Bornes, 72201, Mauritius[1])は1月10日、Alpariロシア法人が1月18日までに全ての業務を停止する見通しであることを発表した。

Alpariによるこの発表は、2018年12月末に、数年前よりリテールFX業界の取締りを強化していたロシア中央銀行がロシアのブローカー5社のライセンス剥奪を突如発表したことを受けての対応とみられる。ロシア中央銀行からライセンスを取得するブローカーは全部で9社であり、つまり今回ライセンスを剥奪されたブローカーはその半分以上に上ることになる。このロシア中央銀行の決定は、ロシアのリテールFX市場においては、地元の銀行子会社のブローカーのみがブローキング業務を行えることを意味しており、それらの銀行はロシア政権に近い個人によって経営される巨大企業であることから、今回ロシア中央銀行が如何に独裁主義的な規制を行ったか伺い知ることができよう。

銀行子会社ではないAlpariに関しては、ロシアの地で事業を継続させることはできない状況に追い込まれた。ロシア中央銀行によるライセンス剥奪の発表当初、Alpariはロシア中央銀行に対して訴訟を起こすべく、ロシアの法律に則った形で準備を進めていたものの、この度のAlpariロシア法人の業務全面停止の発表を踏まえると、Alpariではロシア中央銀行の強硬姿勢を勘案し、訴訟を起こすことを断念したものと推察できよう。

Alpariロシア法人の業務停止を受け、顧客は1月18日以降入金や新規の売買注文を行うことはできなくなる。Alpariは顧客に対し、1月18日の業務停止前に予め全ての保有ポジションの決済、及び注文中のオーダーに関しては取り消すよう求めている。

Alpariはロシアの地では事業を行えなくなったものの、複数の国々のライセンスを取得すると共に、子会社を通じてグローバルにブローカレッジ業務を展開している。この度、期せずして事業の再構築を図らざるを得えなくなったが、これまでロシアに投資していた経営資源を他の有力市場へ振り向けることで、業績の維持・拡大につなげることを期待したい。

release date 2019.1.11

出典元:

ニュースコメント

ロシアの独裁主義的な規制体制

ロシア中央銀行では、ライセンス剥奪の理由として、中央銀行が出した指示への違反行為や誤った内容の情報提供、不適切な内部会計を行ったこと、また、中央銀行のライセンスを利用し積極的にロシア市民を外国為替市場に巻き込んだこと、などを挙げており、ライセンス剥奪に至ったブローカーのトップ経営陣の個人名の公表も行うなどの強硬な姿勢を見せた。今回のライセンス剥奪に至った背景には、ロシアの中央銀行が、政治や経済を支配したり大きくかかわることもできる他、ロシアの法律下では銀行の利益の半分がロシア政府の連邦予算に充てられていることなどを考慮すると、ロシア政府が大きく関わっていることも考えられなくはないだろう。ロシア政権に近い個人が経営する巨大企業の支配力を強めることを目的に、ロシア中央銀行が独裁的に業界全体を支配する道を選んだ、とも考えられる。このような独裁主義的なロシアの規制体制により、ロシアのブローカーらは、競争原理を失ったロシア市場ではなく、グローバルでの戦略へとシフトする必要に駆られている。


Date

作成日

2019.01.11

Update

最終更新

2022.07.08

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
New
update2024.04.19 21:00

Bybitの新ローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場!参加方法やPlaybuxの独自トークンについて解説

Bybitのローンチパッドに仮想通貨PBUXが登場します。PBUXは、エンターテインメントWeb3.0プラットフォーム「Playbux」の独自トークンです。計測開始日時は2024年4月18日午前9時からです。
update2024.04.18 21:00

XS.comが賞金総額100万円超のデモトレード大会「Lucky Contest」を開催!

海外FX業者のXS.comが、2024年4月29日よりデモトレード大会「Lucky Contest」を開催します。上位5名には総額100万円の賞金が贈られ、上位入賞を逃した方にも抽選で賞金が当たります。参加には事前のエントリーが必要です。
update2024.04.17 20:00

仮想通貨OMNIの将来性は?ロールアップを統合するレイヤー1ブロックチェーンについて解説

仮想通貨OMNIは、イーサリアムのロールアップを統合するブロックチェーン、Omni Networkのネイティブトークンです。Omni Networkを使用すると、イーサリアムの流動性とユーザーにアクセスできるグローバルアプリケーションを構築できます。
update2024.04.16 21:00

メタマスクにリップル(XRP)は送金できる?メタマスクの対応ブロックチェーンについて解説

メタマスク(MetaMask)は、複数の仮想通貨(暗号資産)を管理できる人気の高い仮想通貨ウォレットですが、メタマスクにリップル(XRP)は送金できるのでしょうか。
update2024.04.16 20:00

仮想通貨SUI(スイ)に対応したウォレットの作り方|ウォレットの種類や機能も解説

Mysten Labsが開発するレイヤー1ブロックチェーン「Sui Network」上では、さまざまなWeb3アプリが開発・提供されています。アプリを利用する際に必要となるのが、SUIウォレットです。主なSUIウォレットの種類や機能、作り方、SUIウォレットのリスクなどを解説します。
update2024.04.12 20:00

仮想通貨SAGAの将来性は?Web3開発者向けプラットフォームの評判や仕組みを解説

仮想通貨(暗号資産)SAGAは、レイヤー1プロトコルSagaのネイティブトークンです。Sagaは、開発者がWeb3プロジェクトを簡単にローンチできるプラットフォームとして機能します。
update2024.04.11 20:00

Titan FXが上限額なしのGW無限キャッシュバックキャンペーンを開催!

Titan FX(タイタンエフエックス)が2024年4月22日から「GW無限キャッシュバック」キャンペーンを開催します。入金額と取引量の条件を満たしたユーザーが、期間内であれば条件を満たす度に何度でも、上限額なしで無制限にキャッシュバックを受け取れるという内容です。
update2024.04.05 21:00

Mantle Rewards Stationとは?MNTステーキングの仕組みやmShardsについて解説

Mantleが「Mantle Rewards Station」というキャンペーンを開催しました。ユーザーは仮想通貨MNTをステーキングすると、mShardsというレシートトークンを獲得でき、将来的に仮想通貨ENAと交換できます。
update2024.04.05 20:30

FXDDが春の22%入金ボーナスキャンペーンを延長

老舗の海外FX業者として知られるFXDDが、2024年4月1日より春の22%入金ボーナスキャンペーンを開催中です。キャンペーン期間中に入金すると22%のボーナスが付与されます。
update2024.04.05 20:15
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル