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リフィニティブ、Forwards Matchingへのアクセスを自動化

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update 2021.08.31 15:32
リフィニティブ、Forwards Matchingへのアクセスを自動化

update 2021.08.31 15:32

APIを活用しFXスワップ取引に絡むマニュアル業務を代替

金融情報会社Refinitiv(本社:5 Canada Square London E14 5AQ United Kingdom[1])【以下、リフィニティブと称する】は、FXスワップの電子取引が拡大する中、投資効率の改善やコスト管理の合理化に寄与すべく、同社が運用する多角的取引施設(Multilateral Trading Facility)【以下、MTFと称す】のForwards Matchingへのアクセスを自動化させた。[2]

リフィニティブの新サービスは、GUIもしくはAPIコネクションを活用し、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ, MiFIDⅡ)に準拠した形で、FXスワップ取引に関連したマニュアル業務を代替するという。顧客にとっては、他の市場参加者から売買状況を悟られずに取引が可能となるほか、独自のスワップレートによって透明性の高い仲値や、充実した流動性の供給も受けられるとのことだ。

新サービスに活用するForwards Matching APIは、同施設のSpot Matching APIに基づき、複数のリクイディティプロバイダー(流動性供給業者)を通じて、店頭(OTC)のFXスワップ市場に関連した情報を提供するという。新サービスの提供に際し、リフィニティブのFX取引施設部門ヘッドを務めるPaul Clarke氏は、FXスワップの電子取引が拡大しワークフローが大きく変化する中、豊富な流動性を維持しつつ、投資効率を改善させる革新的なソリューションが求められているとコメントしている。国際決済銀行(Bank for International Settlements, BIS)の最新調査によると、1日当たりのグローバルFXスワップ取引高はFX取引全体の半分ほどを占める、約3.2兆ドルにまで拡大しており、中でもスポット市場及び店頭取引が拡大している模様だ。

尚、リフィニティブは、ロンドン証券取引所グループ【以下、LSEGと称す】に270億ドルで買収されることが決まっている。LSEGはリフィニティブとテクノロジーやコーポレート機能などの多岐にわたる分野で相乗効果を発揮し、両社が保有する付加価値データを有効活用していく方針だ。また、2020年3月にリフィニティブのシステム上で取引されたFXの平均日次取引高(ADV)は、5,400億ドルであったという。そして今回、同社はForwards Matching APIを活用し、投資効率の改善などに寄与するサービスを提供することで、更なる顧客満足度の向上が期待できそうだ。

release date 2020.06.05

出典元:

ニュースコメント

APIを活用したソリューション開発が拡大

リフィニティブは、独自FX取引プラットフォームであるFXallとForwards Matchingで構成されるMTFにおいて、約900社の顧客と接続されており、約200社とはMatching APIを通じた取引を行っているという。欧州では決済サービス指令(PSD2)や一般データ保護規則(GDPR)等の規制が導入されたことを受け、フィンテック関連の業者はAPIを活用することで、金融機関の保有するデータへアクセスする仕組みの整備が進んでいる。このような市場環境下において、多くの金融機関がAPIを活用したソリューション提供を積極的に試みている状況だ。例えば、ドイツ取引所が360Tと連携し、リフィニティブと同様に、APIコネクションを活用したFXスワップ取引サービスの強化を図っている。その他にも、Advanced MarketsがTradesocioと提携し、FIX APIを活用して取引執行機能の向上を模索しているほか、GMIがBrokereeと提携し、低レイテンシーの執行サービスの提供を試みている。今後も革新的なテクノロジーを有するフィンテック企業と金融機関が手を組み、顧客の利便性向上に繋がるソリューションが開発されることを期待したい。


Date

作成日

2020.06.05

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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