遅行指数
2018.11.05
遅行指数は、内閣府が毎月公表する日本の景気動向を総合的に示す景気関連の経済指標をいいます。生産や雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指数です。
景気の動きを表す指数(景気動向指数)には先行指数、一致指数、遅行指数の3つがあります。これら3つの指数のうち、景気の動きに先駆けて動くのが先行指数、景気の動きとほぼ同時に動くのが一致指数、一致指数から数カ月~半年程度遅れて動くのが遅行指数です。
本指数には「CI(コンポジット・インデックス)」と「DI(ディフュージョン・インデックス)」の2つがあり、CIは構成する指標の動きを合成することで景気変動の大きさやテンポ(量感)について、主な目的としています。
一方で、DIは構成する指標のうち改善している指標の割合を算出することで、景気の各経済部門への波及度合い(波及度)について測定することを主な目的としています。
景気動向指数は、以前はDIを中心とした公表形態でありましたが、最近では景気変動の大きさや量感を把握することがより重要になっていることから2008年4月以降、CIを中心とした公表形態に移行しました。
ただし、DIも景気の波及度を把握するための重要な指標であることから、参考指標として引き続き作成・公表されています。(景気転換点の判定等には、ヒストリカルDIが用いられている)
前述の通り、景気に対して先行して動く「先行指数」、ほぼ一致して動く「一致指数」、遅れて動く「遅行指数」の3つの指数があります。投資を行う上で、景気の予測や現状の把握は大切なポイントになります。
景気の現状把握には「一致指数」を、景気の先行きを予測するには一致指数に数カ月先行する「先行指数」を、事後的な確認には一致指数に数カ月から半年程度遅行する「遅行指数」を用います。
ただ、予測や現状に良い数値が出ていたとしても、それだけで判断するのは危険です。そこで、先行指数や一致指数が信用できる数値であるかを遅行指数で確認します。
このように、3つの指数を活用することで、投資のリスクを小さくすることができるのです。ちなみに、景気動向指数は、内閣府が毎月ホームページなどで公表しています。
読み方
チコウシスウ・ちこうしすう