割引手形
2018.07.12
割引手形とは、受取手形のうち、手形の満期が到来する前に銀行などで換金して割り引かれた手形をいいます。企業会計上のバランスシート(貸借対照表)で使用される勘定科目では、流動負債の部で使用される仕訳のひとつでもあります。
割り引きに付した受取手形の額面から、手数料や当日から満期までの利息分を差し引いた金額が現金化されたものを、割引手形の勘定科目へ計上します。
現金化であるのに流動負債の部へ仕訳するのは、支払人が満期日に支払いを拒絶した場合には不渡りとなるため、割り引きを依頼した銀行へ手形代金を支払わなければなりません。
その際には債務になるため、まだ自社の収益と確定しているわけではないので負債の部へ仕訳するようになっています。また、受取手形を銀行などの金融機関に依頼して、手形の満期が到来する前に換金するように依頼する行為自体のことは「手形割引」といいます。
手形の満期日の前に現金化できるため、割引手形は資金調達の手段として使うことが可能です。似たような資金調達手段としては、売掛金のファクタリングもあげられます。ファクタリングは、手形ではなく売掛金の譲渡を行うことで現金化を実現する資金調達方法です。
また、紙の手形に対してネット上のデータ管理が行われるペーパーレスの電子手形も存在します。全国銀行協会などでは、電子債権の制度を運営しており、制度名は電子債権を略した「でんさい」です。
電子手形でも手形を割り引くことができます。電子手形の割引は、手形がペーパーレスになって電子化されたことによって、割引にかかる手数料などのコストが安く済むなどのメリットがあります。
読み方
ワリビキテガタ・わりびきてがた