FX投資における逆張り投資とは？注意点と使い方

FX投資にはさまざまな投資手法がありますが、基本的な手法として「逆張り」や「順張り」といった手法があります。まず逆張りについてご紹介します。逆張りとは、相場の流れに逆らって投資する方法です。具体的には、ドル高円安が進んでいる場合はドル安円高に反転することを狙ってドル売却して円を購入する取引です。

相場の流れがそのまま変わらなければ損をすることになりますが、あえて流れに逆らうということで逆張りと呼ばれています。逆張りの投資を行う場合は、エントリーポイントが重要になります。

エントリーポイントとは取引をするタイミングのことです。相場の流れに逆らって投資をするわけですから、そのまま相場の流れが変わらなければ損失は拡大します。そのため、相場の流れが反転する直前が理想的なエントリーポイントとなります。

反転する確率が高いタイミングは、過去からの為替レートのチャートや経済指標の発表タイミングとその影響などから決めるのが一般的です。

逆張りの投資を行う場合のデメリットは、相場の流れが反転せずそれまでのトレンドが続いてしまった場合に損失が拡大することです。

どんなに予測の精度を高めても確実に反転するタイミングを知ることは難しいものです。そのため、予想に反して相場の流れが変わらないとわかったら早めにポジションを解消して損失を最小化することが大切です。

ポジションを保有しながらいつまでも反転するタイミングを待っていると、追加証拠金が必要になったりゼロカットで取引が強制的に終了したりすることになってしまいます。そのため、相場が予想に反した動きになった場合は、早めに見切りをつけて再度エントリーポイントを見極めることが重要です。

では、逆張りのメリットとは何でしょう？逆張りのメリットは、大きな利益が生まれやすい点にあります。

一般的には相場が反転する場合、急激に為替レートが変動することが多いです。そのため、理想的なエントリーポイントでポジションをとれば短期間で大きく為替レートが反転方向に動くことになり、多額の利益を手にすることができます。

特に、市場の予想に反した経済指標が発表されたり政権交代などが起こったりすると為替相場は大きく変動することが多くあります。そのタイミングで逆張り投資をすれば短期間で効率的に利益が得られるでしょう。

為替レートのチャートの分析だけでなく、経済や政治などのイベントのタイミングをよく頭に入れてエントリーポイントを判断することが大切です。

逆張りが相場の流れに逆らってポジションをとる手法であるのに対し、順張りは相場の流れに沿って投資をする手法です。

相場の流れに逆らわず順応するということで順張りと呼ばれています。順張りの投資を行う場合も、逆張りの場合と同様にエントリーポイントは大事になりますが、相場環境も大切です。

一般的にはレンジ相場よりもトレンド相場の方が順張りに向いているといわれています。レンジ相場とは、一定の為替レートの範囲内でレートが上下するタイプの相場のことです。

一方、トレンド相場とは、一方向に為替レートが変動していく相場で、円安が進んだり円高が進行したりする相場のことです。一定の方向に相場が動いている状況下で経済指標の発表がしばらく予定されていない場合などは同じような傾向が続く可能性が高まります。

そういったタイミングでエントリーすると順張りの手法で効率よく利益が得られるでしょう。

順張り投資のデメリットは2つあります。1つは、長期間にわたって一方向に為替レートが急激に変動することは少なく、トレンド相場の場合は為替レートの変動幅はそれほど大きくない点です。変動幅が少なくなればそれだけ利益を急激に増やすことは難しくなるでしょう。短期間に大きな利益を狙いたい人は選びにくい投資手法だといえます。

もう1つは、トレンド相場は長期間続くこともありますが、突然相場が反転することもありえるという点です。順張り投資をしていて相場が反転してしまうと、そこからは逆のトレンドになるというケースも多いです。そうなってしまうと、ポジションを保有し続けることによって損失が拡大してしまいます。

そのため、相場が反転する前に取引を終了させて利益を確定することが重要になります。順張りの場合は長期間ポジションを保有し続けるのではなく、一定の目標利益を稼いだらいったん取引を終了させてトレンドが変わらないかどうかを再度冷静に判断する姿勢も大切でしょう。

順張りで投資をする場合のメリットは、相場の流れが変わらない限り利益が拡大していくという点にあります。そのため、トレンドの転換点の見極めさえできていれば比較的安全に利益を積み上げていけるでしょう。

ただし、相場の反転は突然やってくる可能性があります。そのため、同じトレンドが続いているからといっても慢心は禁物です。常に、相場が反転する要素がないかどうかを注意深く観察しておくことをおすすめします。

逆張りと順張りは投資初心者にとってわかりやすい投資手法です。しかし、そうはいっても両方の手法を同時に組み合わせて行っていくのは難しいでしょう。投資初心者は、どちらか得意な手法を1つ選んで取引することをおすすめします。

例えば、逆張り手法を選択する場合は、相場の転換点がきたら投資をして反転後一定の利益を確保したら取引を終了させ、次の転換点までは投資をせず為替市場を観察するといった方法でFX投資を継続します。

順張りであれば相場が反転する前に取引を終了させ利益を確保し、相場の転換点をやり過ごしたら再度エントリーポイントを見つけて投資するのです。

どちらかの手法に慣れることによって、相場の転換点を見極める力がつき、やがてどちらの手法でも利益が得られるようになるでしょう。

FX投資の手法にはさまざまなものがありますが、そのうち逆張りと順張りをご紹介しました。順張りも逆張りも、FX投資だけでなくその他の金融商品への投資でも活用できる基本的な投資手法です。この2つの投資手法を身につけることができれば、投資初心者を卒業できるようになるでしょう。

その他の投資手法としては複数のポジションを組み合わせて相場がどちらに変動しても利益が得られるといった手法があります。そういった投資手法も、逆張りと順張りがしっかり理解できていなければ上手くいかないものです。

FX投資で成功したいと考えている人は、まず投資手法の基本となる逆張りと順張りを極める努力をしていきましょう。